猫兎ライフ

美味しい食べ物にうまい酒、面白い本に楽しいゲーム、それさえあれば幸せです。

日常系かと思いきや【読書感想文】『暦物語』西尾維新/KADOKAWA

   

 

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【紹介】

西尾維新の物語シリーズ。

【感想】

学校の怪談レベルの、怪異未満の話の短編集。かと思いきや最後の最後で主人公が死ぬ。日常からのギャップが素晴らしかった。

 

暦物語 (講談社BOX)

暦物語 (講談社BOX)

 

 

(おわり)

 

   

カタルーニャを語るーにゃ【読書感想文】『物語 カタルーニャの歴史』田澤耕/中公新書

   

 

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【紹介】

最近なにかと話題のカタルーニャの歴史について書かれた本。

【感想】

カタルーニャが独立するとかしないとかニュースで耳にしたので、カタルーニャについて学ぶためにこの本を購入した。独立問題が浮上するまで、カタルーニャという名前すら聞いたことはなかった。

この、イベリア半島地中海岸の北東部にある小さな「国」は、現在は大部分をスペインに、そしてのこりわずかな部分をフランスに呑み込まれた状態になっていて、普通、我々が接する世界地図上にはその名が現れていない…(本文より)

ヨーロッパの一地域であるカタルーニャが、なぜ今更独立などと騒ぎ出したのだろうか。

カタルーニャには「国」としての条件がそろっている。独自の歴史、伝統、習慣、そして言語がある。(本文より)

カタルーニャの歴史を読むと、およそ普通のヨーロッパの国家の歴史と変わるところはない。王家があり封建制がありペストに苦しんだ、平均的なヨーロッパの国だった。たまたま巡り合わせが悪く、近代国家として独立することはなかったようだ。イギリスで言う所のスコットランドとかウェールズのようなものなのだろうか。

カタルーニャは現在大部分がスペイン領内にあるものの、文化の独自性は高い。ガウディもカタルーニャ人。ヨーロッパの言語はローマ帝国のラテン語からの派生言語が主だが、カタルーニャ語はスペイン語の子言語(ラテン語の孫言語)ではなく、ラテン語の子言語であり、スペイン語とは姉妹関係にあるそうだ。

確かに独自の言語と歴史を持っていて「国」と呼べるほどの文化圏を有しているのは理解できる。自治権が与えられながらも、中央政府への不満が積もっていくのも共感はできる。しかし、なぜ今更独立という話が持ち上がったのだろうか?そこまではこの本に書かれていないが、カタルーニャ問題を考える上での基礎知識として大いに参考になった。

 

物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

 

 

(おわり)

 

   

ひと足先にヌーヴォーいただきました【ワインレビュー】『2017完熟 巨峰』アルプスワイン/日本

   

 

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【紹介】

日本の信州(長野県)産の巨峰のワイン。

アルコール分:12%

内容量:720ml

お値段:1000円弱

信州(長野県)は日照量が豊富で収穫時期における昼夜の温度差が大きいため高品質で美味しいぶどうが育ちます。信州産の完熟した巨峰ぶどうを一房一房丁寧に手摘み収穫し、酸化防止剤無添加で醸造した新酒(ヌーヴォー)です。フレッシュでしっかりとした果実味を十二分にお楽しみいただけます。(ラベルより)

【感想】

巨峰のワインは珍しいと思い、店頭で見かけて即買いした。今年の新酒だということで、とてもフルーティーでフレッシュでおいしい。良い意味でジュースのみたい。濃いぶどうジュースのようなフルーティーさ。飲んだ第一印象は「ウェ◯チ」。

甘くて飲みやすい割にアルコール分は普通にあるので、女の子を口説く時に使えるんじゃないかと思う。ヌーヴォーだから話題性も十分。

ところで、今年のボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は11月16日らしい。解禁日まで飲めないという上から目線感がいかにもフランスらしい。悪天候の年でもなにかと理由をつけて「過去最高の出来」と毎年ニュースでやっているので、もはや何が何だかわからない。バトル漫画並みのインフレでも起こっているのか。

 スクリューキャップなので、ワインオープナーもバキュバンも必要なし。

 

(おわり)

 

   

踊らされている感【読書感想文】『憑物語』西尾維新/KADOKAWA

   

 

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【紹介】

西尾維新の物語シリーズ。

【感想】

この話も、後々への伏線が盛りだくさんの回。正弦がらみの’踊らされている感’が特に好き。

 

憑物語

憑物語

 

 

(おわり)

 

   

既視感のあるディストピア【読書感想文】『R帝国』中村文則/中央公論新社

   

 

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【紹介】

「教団X」などを書いた中村文則さんの本。初版は2017年8月25日発行。

【感想】

いままで中村文則さんの本を読んだことはなかった。この本は書店に並べられていたのを気になって手に取り、少し読んで面白そうだと思い、買った。

この本を一言で表すなら、「既視感のあるディストピア」だ。どこかで読んだことのある話、ではなく現実世界で見たことがある感じがする。熱狂的な宗教教義を掲げてテロや戦争を起こす国、目先の幸せのことしか考えない人々、国民全員が所持する携帯端末、圧倒的な与党、ネットに飛び交う憎悪の言葉と幸せアピール・・・等々。どこかで見たことがあると思ったら、我々の生きる現実そのものじゃないか。この世界も一歩道を間違えば、あるいは見方を少し変えるだけで立派なディストピアになるのだと実感させられる話だった。

一貫して救いがないのもまた良い。

 

R帝国

R帝国

 

 

(おわり)

 

   

まさかの貝木回【読書感想文】『恋物語』西尾維新/KADOKAWA

   

 

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【紹介】

西尾維新の物語シリーズ。今回の語り手は、まさかの貝木泥舟。

【感想】

恋物語というタイトルには、およそ最も似つかわしく無い人物が語り手だった。中・高生が登場人物の中心となる本作では、貝木はやはり大人だと感じさせられる話だった。1行でまとめてしまえば「子供(千石)の駄々を、大人(貝木)が静める話」だから。

 

恋物語 (講談社BOX)

恋物語 (講談社BOX)

 

 

(おわり)

 

   

伏線【読書感想文】『鬼物語』西尾維新/KADOKAWA

   

 

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【紹介】

西尾維新の物語シリーズ。

【感想】

ファイナルシーズンまで読み終えた今だからわかるが、後々への伏線が盛りだくさんの巻だった。ラストの肩車の場面は特に好き。

 

鬼物語 (講談社BOX)

鬼物語 (講談社BOX)

 

 

(おわり)