猫兎ライフ

美味しい食べ物にうまい酒、面白い本に楽しいゲーム、それさえあれば幸せです。

読書感想文

ニンテンドースイッチを欲しくなる理由【読書感想文】『影響力の武器』ロバート・B・チャルディーニ/誠信書房

// 【紹介】 セールスパーソンや宗教指導者などが、他人を動かすために使用しているテクニックを科学的に解説した本。 【感想】 ニンテンドースイッチが欲しくて欲しくて、たまらなくて、毎日のように店頭と通販サイトを訪れ、転売価格のスイッチにも心がな…

塩野節に食傷気味【読書感想文】『ギリシア人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊』塩野七生/新潮社

// 【紹介】 古代ギリシアを題材にした歴史の本。 【感想】 この巻では主にアテネの凋落が書かれている。 内容はいいとして、塩野さん独特の説明調の文体が妙に気になった。「ローマ人の物語」の時には特に意識することもなかったが、本作では妙にくどく感じ…

バックパッカーの本【読書感想文】『深夜特急1〜6』沢木耕太郎/新潮文庫

// 【紹介】 インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗合いバスで旅をしたバックパッカーの記録 【感想】 バックパッカーの旅の様子がよくわかる本だった。 言葉もろくに通じないような土地で一泊数百円の宿に泊まり、わずかなタクシー代をケチるために延…

睡眠の本【読書感想文】『睡眠の科学』櫻井武/講談社ブルーバックス

// 【紹介】 科学読み物の定番ブルーバックスシリーズの、睡眠に関する本。 【感想】 最近睡眠不足を感じていたので、睡眠に関する本を読みたいと思っていた。自己啓発系の本にも睡眠に関するものはあったが、科学的なエビデンスに基づいた知識が欲しかった…

主人公がクズ【読書感想文】『劇場』又吉直樹/新潮社

// 【紹介】 「火花」に続く2冊目の又吉直樹さんの小説。今回の主人公は、劇団員。 【感想】 主人公がクズ。それに尽きる小説だった。 主人公は行動も言動も支離滅裂で、生活は自立しておらず、他人に迷惑ばかりかけている。何を間違ったか、とても気立ての…

真のジャーナリズム【読書感想文】『殺人犯はそこにいいる(文庫X)』清水潔

// 【紹介】 少し前に、「文庫X」としてカバーが隠された状態で売られていた本。最近はタイトルが明かされた状態で売られている。その中身は『殺人犯はそこにいる』という連続幼女誘拐殺人事件を扱ったノンフィクションだった。 【感想】 隠された状態では胡…

翻訳の勉強法【読書感想文】『通訳翻訳ジャーナル 2017 SPRING』イカロス出版

// 【紹介】 通訳・翻訳家のためのナビゲーションマガジン。本号の特集は「間違いだらけの勉強法」 【感想】 翻訳家を目指しているのだが、学校に行く気もないのでまずは勉強法自体を学ぶ必要があった。内容的にはおおまかにいえば「基礎を大切にする」「ア…

翻訳家の年収は?【読書感想文】『通訳翻訳ジャーナル 2017 SUMMER』イカロス出版

// 【紹介】 通訳・翻訳家のためのナビゲーションマガジン。本号の特集は「収入と働き方」 【感想】 何か仕事をしようと思い立った時、気になることのひとつが収入だ。自分のやりたいことや好きなことを仕事にできたとしても、食っていけなければ話にならな…

翻訳家のエッセイ集【読書感想文】『翻訳家の仕事』岩波書店編集部編/岩波新書

// 【紹介】 翻訳家によるエッセイ集です。およそ10年ほど前の本で、今は絶版なのかAmazonでは新品での取り扱いがなかったので中古で買いました。 …古今東西さまざまな言語の翻訳にたずさわる当代きっての名訳者三十七人が明らかにする、苦悩と、苦心と、…

読み終えるのに半年以上【読書感想文】『戦争と平和4』トルストイ/新潮文庫

// 【紹介】 新潮文庫版の「戦争と平和」第4巻です。最終巻です。ナポレオン率いるフランス軍に攻め込まれたロシアが戦況を巻き返して戦争に勝利し、その後の物語が語られることろまでが書かれています。 【感想】 まずは自分を「よくやった」と褒めてあげ…

翻訳の雑誌【読書感想文】『翻訳事典2018年度版』アルク

// 【紹介】 翻訳者になりたい人の必読書(表紙より) 以前読んだ翻訳の本で紹介されていた雑誌です。 【感想】 『翻訳というお仕事』という本の中で、 「翻訳者になりたい」と思ったとき、あるいは翻訳の仕事をいっそう充実させたい時に最初に手に取るべき…

翻訳家目指します【読書感想文】『翻訳というおしごと』実川元子/アルク

// 【紹介】 翻訳とはどんな仕事か?機械翻訳が発達するなか翻訳者に未来はあるのか?などという内容が書かれている本です。 【感想】 翻訳家を目指そうと思った矢先に書店で見つけた本です。まさにセレンディピティです。以前勤めていた職場で社内通訳・翻…

戦略の本【読書感想文】『戦争にチャンスを与えよ』エドワード・ルトワック/文春新書

// 【紹介】 歴史学者・戦略家であるエドワード・ルトワックさんの本です。 【感想】 国連・NGO・他国の介入が戦争を長引かせるのだ!(帯より) という文句に目を引かれ購入しました。彼の「戦争が平和をもたらす」という逆説は、戦争を学ぶ機会の少ない我…

翻訳家としての春樹【読書感想文】『村上春樹 翻訳ほとんど全仕事』村上春樹

// 【紹介】 作家の村上春樹さんがこれまでに手掛けた翻訳について書いている本です。翻訳した本の紹介や、彼の翻訳に対する姿勢などが語られています。 【感想】 翻訳にも種類があって、ビジネス文書や論文・専門書などがありますが、一番難しいのは小説等…

教科書より面白くない【読書感想文】『わかるヨコハマ』神奈川新聞社

// 【紹介】 横浜の自然、歴史や社会について書かれた本です。 【感想】 横浜についての本を読みたいと思い買ったのですが、これほど面白くない本は久しぶりでした。多少の写真や図はあるもののずらずらと文字が続いており、まだ教科書の方が面白みがあると…

村上春樹小説のテンプレート【読書感想文】『騎士団長殺し第1部・第2部』村上春樹/新潮社

// 【紹介】 村上春樹さんの新作小説です。2017年2月25日発売です。 【感想】 よく言えば村上春樹さんらしい、悪く言えば真新しさのない小説でした。 詳しい内容はネタバレになるので避けますが、過去の作品とだいたい同じ流れのストーリーでした。 …

ビブリア完結。みんなが羨ましい。【読書感想文】『ビブリア古書堂の事件手帳6・7巻』三上延/メディアワークス文庫

// 【紹介】 古書にまつわる事件を書いた小説「ビブリア古書堂の事件手帳」シリーズが7巻で完結しました。 【感想】 7巻で完結したことを知って買った5・6・7巻は一気に読んでしまいました。6巻では解決したと思われた「晩年」が再び不気味な影を投げ…

猫が可愛くない漫画【読書感想文】『鴻池剛と猫のぽんたニャアアン!②』鴻池剛

// 【紹介】 漫画家の鴻池剛さんが飼い猫を描いている漫画です。第2巻です。 【感想】 この漫画の猫は本当に可愛くありません。攻撃的で人に慣れず、何を考えているのか全くわかりません。なにより目つきが猟奇的です。 可愛いだけではない、猫の野生的な一…

サイバーパンクの代名詞的作品【読書感想文】『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン/早川書房

// 【紹介】 1984年原作のサイバーパンクSF小説です。 【感想】 攻殻機動隊やマトリックスの、「荒れた現実世界+きらびやかな電脳世界」という世界観はこの小説が元になっているのではないかと思います。 ハイテクと汚濁の都、千葉シティの空の下、コン…

久しぶりのビブリア【読書感想文】『ビブリア古書堂の事件手帳5』三上延/メディアワークス文庫

// 【紹介】 本を題材にした事件を古書店の美人店主が解いていく内容の小説です。 【感想】 4巻を読んでからしばらく読んでいませんでした。本屋に寄ったときに7巻まで発売されていて完結していることを知ったので5〜7巻を買って読んでいます。2人の仲や…

ようやく3巻目【読書感想文】『戦争と平和』トルストイ/新潮文庫

// 【紹介】 ロシア文学の名作「戦争と平和」新潮文庫版の第3巻です。 【感想】 タイトルにもなっている戦争がようやく本格化してきました。1巻からここまでよむのに優に半年以上かかりました。3巻を読み終えてから今この感想をかくまでにも少し間が空い…

戦争の悲惨さをこれでもかと伝える本【読書感想文】『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ/岩波書店

// 【紹介】 2015年のノーベル文学賞を受賞した著者の本です。これは第二次世界大戦に従軍した女性から聞き取った内容を本にしたものです。 ソ連では第二次世界大戦で百万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にとっ…

ダクソ3の画集【読書感想文】『DARK SOULS III DESIGN WORKS(ダークソウル3デザインワークス)』カドカワエンターブレイン

// 【紹介】 ダークソウル3の画集です。 A4版のハードカバーで、335ページあります。 お値段は、3500円+税です。 【感想】 ダークソウル3には相当はまったので(メイン・サブキャラ合わせて1000時間以上プレイ)、DLC第2弾に合わせて発売さ…

考察が捗る【読書感想文】『ダンジョン飯3&4巻』九井諒子/ビームコミック

// 【紹介】 ダンジョンの魔物を料理して食べながら冒険する漫画です。 【感想】 2巻までは読んでいたのですが、気づいたら4巻まで出ていたので3巻と合わせて読みました。 3巻は海洋生物メインで、4巻ではついに炎竜(レッドドラゴン)とも戦いました。…

みんな死ぬしかないじゃない(嘘)【読書感想文】『戦争と平和2』トルストイ/新潮文庫

// 【紹介】 「戦争と平和」新潮文庫版の2巻を読みました。 【感想】 主要キャラが死にそうで死なない、そんな回でした。アンドレイとロストフは戦闘で負傷し、ピエールはドーロホフとの決闘で銃弾を食らわせました。でもみんな生きています。 妻を失ったア…

戦いを宿命づけられた3番目(サード)の子ども【読書感想文】『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード/ハヤカワ文庫

// 【紹介】 1985年原作のSF小説です。 【感想】 地球は恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。(裏表紙より) 最近読んだ中で1番面白い本でした。大人たちの陰謀に乗せられながらも、成長し仲間を見つけていくストーリーはまさに王道です…

古い本【読書感想文】『ゲシタルト心理学入門』W. ケーラー/東京大学出版会

// 【紹介】 ゲシタルト心理学についての本です。原書は1969年のものなので、およそ半世紀前の内容です。本書の初版も1971年とかなり古いです。 【感想】 昔の本なので、訳が読みづらかったです。 「全体は部分の総和とは異なる」(ケーラー) というのがゲ…

アーサー王物語ならこの本【読書感想文】『図説アーサー王物語』アンドレ・ホプキンズ/原書房

// 【紹介】 「アーサー王物語」の本です。 【感想】 この本は「アーサー王物語」ではなく、「アーサー王物語についての本」です。石の中の剣や名剣エクスカリバーも登場し、ガウェインと緑の騎士の話しやグィネヴィアとランスロットのNTR話も登場しますが、…

ありえる話【読書感想文】『横浜駅SF』柞刈湯葉/KADOKAWA

// 【紹介】 改築工事を繰り返す〈横浜駅〉が、ついに自己増殖を開始。…日本は本州の99%が横浜駅化した。…(裏表紙より) というぶっ飛んだ設定のSFです。 【感想】 横浜駅の終わらない工事を見ていると、こんな設定の本でもあり得ないとは言い切れないな…

AI、ロボットならこの本【読書感想文】『ロボット兵士の戦争』P. W. シンガー/NHK出版

// 【紹介】 現代の戦場で活躍しているロボットについて書かれた本です。 【感想】 ロボット、そしてAIが直面している様々な問題を理解する上で非常に参考になる本でした。身近に存在する技術の多くは軍事目的で開発されたものであり(インターネット、GPS、…