猫兎ライフ

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シックな生き方に憧れます【読書感想文】フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣/ジェニファー・L・スコット著/大和書房

当時学生だったわたしには、パリにいるあいだに学びたいことが山ほどあったけれど、「人生の生き方」についてこれほど多くのことを学ぶだろうとは、思ってもみなかった。それは、本当の意味で「生きる」ということ。

パリに留学したカリフォルニア出身の女性による著書です。物が溢れかえっている現代において、自分の信念に基づいたライフスタイルを確立させた、物質主義の対極とも言える「シック」な生き方を提示してくれる本です。

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目次

Introduction 日常が突然、特別なものに見えてくる

Part1 食事とエクササイズ

 Chapter1 間食はシックじゃない

 Chapter2 食べる喜びを我慢しない

 Chapter3 面倒がらずに体を動かす

Part2 ワードローブと身だしなみ

 Chapter4 10着のワードローブで身軽になる

 Chapter5 自分のスタイルを見つける

 Chapter6 ノーメイクみたいにメイクする

 Chapter7 いつもきちんとした装いで

 Chapter8 女らしさを忘れずに

Part3 シックに暮らす

 Chapter9 いちばん良いものをふだん使いにする

 Chapter10 散らかっているのはシックじゃない

 Chapter11 ミステリアスな雰囲気を漂わせる

 Chapter12 物質主義に踊らされない

 Chapter13 教養を身につける

 Chapter14 ささやかな喜びを見つける

 Chapter15 質の良さにこだわる

 Chapter16 情熱を持って生きる

訳者あとがき

 

以下、気になったフレーズを引用し、感想を述べていきます。

 

間食はシックじゃない。誰かがボーッとテレビを観ながらおやつを食べているのを見たことがあるだろうか?テレビの前に座って、プレッツェルの袋やアイスクリームの大きな容器を抱えて、味わいもせずに、もぐもぐ食べているだけ。(間食はシックじゃない)

これにはちょっと、ドキッとします。自分が間食をしている姿なんて、見たことがありません。もしかしたら、マヌケな顔をしているかもしれません。間食なんて、体に悪いだけなので、やめたほうが良いです。(3時のおやつはセーフですよね?)

体に悪いスナック菓子は、とにかく買ってこないのがいちばん。スーパーのスナック菓子売り場にも近づかないようにしよう。(間食はシックじゃない)

そうそう。そうなのです。お菓子は、あると食べてしまいます。

 

食に対する姿勢がポジティブならば太らないわけではないが、そういうポジティブな姿勢こそ、健康的な食べ方をして、良い食生活を送るための基本でもある。(食べる喜びを我慢しない)

太ることを気にしすぎて、「あれもダメ、これもダメ」と気にしすぎるのも良くないようです。我慢の反動で、食べ過ぎてしまったり。食事は、生きていく上で欠かせません。良質の食べ物を、自身をもって心ゆくまで食べるのも大切なんだそうです。

 

 アメリカでは、同じ服を1週間に2回着るのはちょっと恥ずかしいし、ましてや3回なんてとんでもないと思っている。でもフランスでは、そんなのは当たり前のことだった。だって、みんなそうだから。(10着のワードローブで身軽になる)

私もある時期までは、週に何度も同じ服を着るのに抵抗がありました。ですが、自分のスタイルがなんとなく定着してきて、お気に入りの服が見つかってからはそんなことはなくなりました。同じ服を着ることに抵抗を感じたのは、自分への自信のなさの現れ、他人の目を気にしすぎることによる一種の強迫観念だったのではないかと思います。

 

わたしたちはつい、まちがった理由で服を取っておいて着てしまう。家族や恋人からのプレゼントだから、着ないと相手に悪いと思い着てしまうとか。衝動買いで失敗したと思っても、払ったお金がもったいないから、気に入らなくても着てしまうとか。・・・

そうではなく、自分が本当に好きな服を着よう。自分によく似合って、自分がどういう人間かを表現してくれる服を。(自分のスタイルを見つける)

本当に気に入った服を厳選していけば、意外と数は少なくなるはずです。私も、あまり着ない服や買って失敗だった服などがいくつかありましたが、それらを処分したらかなりスッキリしました。素敵な服にだけかこまれていれば、外出するときにあれこれと服装について悩む時間が減ります。

 

新しく買った服を着るために、それに合うアイテムを買い足さなくてはと思ったら、失敗した証拠だ。(自分のスタイルを見つける)

 これもよくやっていた時期がありました。自分のスタイルを確立していないと、手持ちの服に合わない服を、平気で買ってしまうのです。例えば自分のスタイルを「カジュアル」と決めておけば、変にB系の服を買って大後悔したりすることはなくなります。

 

いつもいちばん良い物を使って、毎日を素敵な気分で過ごそう。持ち物も振る舞いも、最高のレベルを目指そう。そうすれば、ありふれた日常が特別になって、人生がもっと面白くなるから。(いちばん良い持ち物をふだん使いにする)

大切なものは、ついつい使わずにいてしまいます。ですが、良いものこそ使わなければ意味がありません。自分の気に入った、良質の物を使うのはとても幸せなことです。「連れ出せ、使い倒せ」という、カメラのキャッチコピーがありました。良いものは、使ってナンボです。(ほとんど使っていない一眼レフが、私の手元にもあります。)

 

素敵に暮らすということは−−−収入の範囲で暮らし、モノにあふれた社会の誘惑を避けること。それこそ繁栄と呼ぶのだろう。(物質主義に踊らされない)

現代社会に生きていると、際限なく欲望が助長されます。テレビCMでは、きらびやかな自動車の広告が流れていますし、ファッション雑誌では、毎年毎シーズン違ったトレンドで特集が組まれています。あれも欲しい、これも欲しいと物質主義社会に踊らされていては、いくらお金を稼いでも豊かで素敵な生活は送れません。

買い物に行くときには、必要な物と要らない物をしっかりと意識してみよう。(物質主義に踊らされない)

物を買うときは、「本当に自分に必要なものなのか、欲しているものなのか」を見極める必要があります。そうでなければ、余計なものを買い込んでお金も時間も浪費してしまいます。

毎日のように買っている物でムダ遣いをしなくなれば、1年間でどれだけの節約になるか考えてみよう。(物質主義に踊らされない)

ラテマネーの話が有名です。スターバックスなどで、飲み物と食べ物を注文すれば、1000円くらいになります。仮に、毎日1000円使っていたとします。この1000円をラテ(ムダ遣いの例え)ではなく資産運用に使ったとすると、年利10%の複利計算をすると、40年でなんと2億円にも達するそうです。当然、机上の計算なのでこんなにうまくはいかないでしょうが、日々のムダ遣いはこんなに大きな可能性を潰しているのだということです。

 

ゆったりとした気分で、ささやかなことに喜びを感じることができれば、満ち足りてバランスのとれた生活を送れるようになる。そうすれば、ムダ遣いをしたり、やたらとものを買い込んだり、食べ過ぎたりといった、不健康な習慣に陥ったりしなくてすむ。(ささやかな喜びを見つける)

大切なのは「足りるを知る」ことです。

 

この本を読んでくださったみなさんが、情熱的な人生を送ることを願ってやまない。愛とアートと音楽にあふれた人生を。みなさんがいつの日か人生を振り返ったときに、いい人生だった−−−一瞬たりともムダにはしなかった−−−と、思えるように。

ぼんやりしていると、人生はダラダラと過ぎて行ってしまう。そういう人がどれだけ多いことか・・・・・・さまよっているうちに、いつのまにか人生は過ぎ去ってしまう。五感も生かさず、心も何も感じなかったら、生きていると言えるのだろうか。(情熱をもって生きる)

 

【まとめ】

これは、持っている服を減らすためのハウツー本ではありません。「How to do?(どうやるのか)」ではなく、「How to be?(いかにあるべきか)」を題材にしている本です。少ない服や健康的な食事(私たちには物足りないと感じるかもしれません)で満足し、充実した生活を送るための「シック」な生き方の指南書です。

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~

 

 

フランス人は10着しか服を持たない

フランス人は10着しか服を持たない