この仕事のやりがい?
そういうものは、なければないで一向に構わないんじゃないですか
本の紹介
表紙に写った、イカツイ表情のおっさんと、インパクトのある帯の文章につられて購入しました。建築・建設関係者や各種職人などいわゆるブルーカラーによる仕事論の本です。
登場するのは鉄骨鳶、クレーンオペレーター、鉄骨工、非破壊検査、鳶・土工、解体工、型枠大工、ALC建て込み、ウレタン吹き付け、サッシ取り付け、防水工、板金工、給排水設備、電気設備、石工、タイル工、左官工、ガラス工、塗装工、建具吊り込み、カーペット張り、畳張り、突き板屋、什器製作、家具造作、素材生産、林業、製材、木挽き、曳家、洗い屋、宮大工、宮彫師、社寺板金、瓦葺き、表具師、漆師の人たちです。
感想
まず、普段なかなか接することがないこれらの仕事について知ることができたので、非常に面白かったです。自分の住んでいる家や街で見かける建物には、必ず建設業者が絡んでいます。それなのに、今まで彼らの仕事について知る機会はありませんでした。IT関係やコンサルタントなどは、よく本を見かけるのでなんとなくイメージはつくのですが、職人的な人は、本も出さないし直接触れ合う機会もなかったので、長年その仕事の実態はヴェールに包まれていました。この本は、建築の専門誌の連載記事が元になっているそうです。他業種の仕事を知ることのできる本はとても貴重で、参考になります。
この本の登場者が口を揃えて言うのが、「人柄」「段取り」「安全」です。現場での仕事は、ソリッドに規格や締め切りが決まっています。パソコンでの作業のように、後から修正することはできません。一人の残業でどうにかなるような規模の仕事でもありません。そして危険な現場で本物の人間が働いています。実際の現場で人と共に仕事をするときに必要なことが語られています。
また、登場者は自分の仕事にはプライドを持って望んでいるのですが、その職に就いたきっかけというのは、偶然的な要素が多いように見受けられます。たまたま知り合いの紹介で、とか、転職の末に、とかです。最近、自分探しとか、本当にやりたいことなどで悩んでいる人も多いようですが(私もその一人です)、流れに任せて行き着く先で頑張ってみるというのもアリかもしれません。長い人生、何があるかはわかりません。ふとしたところで天職に巡り合うかもしれません。
【まとめ】
・建設関係者・職人らによる仕事論の本
・現場では、「人柄」「段取り」「安全」が大切
・自分探しも良いが、行き着く先で頑張ってみるのもアリ
- 作者: 建築知識編集部
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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