今週のお題「ゾクッとする話」
ここ最近、一段と暑さが増してまいりやしたよね。今日なんかも、曇りだってのにむしむしジメジメと、まいっちまいやす。
こんな日は、ゾクッとする話でも聞いて、涼みたいもんですよ。
え?あっしですか?そんな、他人さまにお話しするようなゾクッとする話は持ち合わせておりませんよ。まあ、どうしてもというならないこたぁないですけどね。
黙っていても、暑さは変わらねぇですからひとつ話しましょうか。
そう、あれはちょうど、こんな蒸し暑い日の出来事でしたねぇ。
外で仕事をしていたんですがねぇ、夕方になって雲行きが怪しくなってきたんですよ。遠くじゃ雷も鳴っていましてね。ここは、梅雨が明けても夕立がよくあるんですよ。本当にひどい雨でねぇ。それこそ文字通りの濡れ鼠になっちまう。こうジメジメと湿気やらなんやらが集まりやすい土地なんでしょうかねぇ。なんというか、こういう場所は、アイツが出やすいって言いますよね。
え?「アイツ」って何なのかって?そいつぁ恐ろしくてあっしの口からは言えませんよ。
まあそんなわけで、この日は雨が降り出す前に早く帰りたいなと思っていたんですがね。こんな日に限って急な仕事が舞い込んできちまうんですよ。あんさんも働いてる人ならわかりやすでしょ?仕事ってのは、思い通りにはいかないんですよ。
仕事を終えて帰路についたときは、運良くまだ天気がもっていたんですよ。こりゃしめたと思って、早足で家を目指しましたよ。誰だって雨に打たれるのは好きじゃないですからねぇ。
その日は、もう夜だってのに異常な蒸し暑さでね。日はとっぷり暮れているのに、汗が止まりませんでしたよ。今思い返しても、あの湿度はただごとじゃなかったですよ。
無事に家に帰りたい一心で歩いていたんですが、ちらと視界に入るものがありましてね。自然の風景に溶け込んでいるようで、なにか違和感を感じたんですよ。いやだなー、なんだろうなーと思って、無視して通り過ぎようかと思ったんですがね。そいつが動きやがるんですよ。こりゃあもう覚悟を決めて確認するしかないと思って、立ち止まって見たら、アイツがそこにいたんですよ。
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モロに目があっちまいましてね。
つぶらな瞳が可愛いのなんのって。
でも、この写真を拡大するとねぇ。わかりやすか?
イボイボがめっちゃキモくて鳥肌が立つでしょう?
いやもう、本当ゾクッとしますよ。このイボイボは。
(おわり)