【紹介】
魚の生態や習性を「釣り」の観点から科学的に解明している本です。
魚の行動習性を利用する 釣り入門―科学が明かした「水面下の生態」のすべて (ブルーバックス)
- 作者: 川村軍蔵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/04/21
- メディア: 新書
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
【感想】
「敵を知り己をしらば百戦危うからず」とは古代中国の戦略家である孫氏の言葉ですが、それが釣りにも当てはまるとは思ってもみませんでした。釣りの道具や仕掛け、エサなど釣り方に関する本はたくさんありますが、釣られる魚の本を見たのは初めてです。
内容を少し紹介すると、「魚は色が分かるのか」という釣り人ならば誰しもが気になっている話題もあります。カラフルなルアーや様々な色の釣り糸は、はたして意味があるのかとずっと疑問に思っていました。結論から述べると、魚はきちんと色を判別できるのだそうです。しかしながら、見えにくい色の糸を使えば釣れやすいというわけでもないようで、一部のマグロでは目立つ色の方がよく釣れるのだそうです。
ハリスが見えにく方がよく釣れるというのは単なる思い込みの可能性があると思わせる。(本文より)
他にも、エサやルアーや釣りのポイントなどのことが科学的なエビデンスをもとに記述されています。
タイトルには「釣り入門」と銘打たれていますが、入門にしては高度な内容だと思います。釣りの知識がないとちょっと厳しいかと思います。釣りの初心者が1冊目に読む本ではありません。とはいえ、熟練の釣り人が数多の経験の上で身につけるであろう知識を解明してしまうのですから、科学の力は偉大です。
(おわり)