猫兎ライフ

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ファラデーを知らないのは人としてモグリ【読書感想文】『ロウソクの科学』ファラデー/岩波文庫

   

 

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【紹介】

電磁誘導などで有名なファラデーによる、クリスマス講演を本にしたものです。

 

ロウソクの科学 (岩波文庫)

ロウソクの科学 (岩波文庫)

 

 

【感想】

理系でなくても、ファラデーの名前は聞いたことがあると思います。

「もしファラデーの時代にノーベル賞があったなら、彼は少なくとも六回受賞していただろう」…それに対する六つの業績は以下のようである。

一 電磁誘導の発見

二 電気分解の法則の発見

三 物質の磁性の発見・磁気化学の創設

四 ベンゼンの発見

五 ファラデー効果の発見

六 場の概念の発見

(ファラデー 人と生涯より)

 この本は、ファラデーが生きていた時に、子供たちを相手にクリスマスの時期に行った講演をまとめたものです。気体の性質や物質の三態、燃焼に関することなどが、ロウソクを題材に丁寧に説明されています。理系でなくても楽しめる内容です。

「教育の目的は、心を訓練して、前提から結論を導き、虚偽を見いだし、不適切な一般化を正し、推論に際しての誤りが大きくなるのをくい止められるようにすることです。…」(ファラデー/ファラデー 人と人生より)

ファラデーの言うこの科学の精神を持っていれば、STAP細胞や水素水などのあやしいものに惑わされることも無くなるでしょう。

(おわり)