【紹介】
改築工事を繰り返す〈横浜駅〉が、ついに自己増殖を開始。…日本は本州の99%が横浜駅化した。…(裏表紙より)
というぶっ飛んだ設定のSFです。
【感想】
横浜駅の終わらない工事を見ていると、こんな設定の本でもあり得ないとは言い切れないなと思ってしまいます。
「JR統合知性体」「スイカネット(※スカイネットではない)」など、どこかで聞いたことがあるような、SF好きにはたまらない単語も登場します。設定こそぶっ飛んでいますが、文体は読みやすく物語も筋が通っていて面白い本でした。
回収されていない伏線も多く、個人的には「ユキエさん」や「冬戦争」の詳細、スイッチを入れてからの空白の8時間、体の大きさの違いの理由、トシルの今後の動向が気になります。続編もそのうち出るようなので、期待大です。
(おわり)