【紹介】
歴史学者・戦略家であるエドワード・ルトワックさんの本です。
【感想】
国連・NGO・他国の介入が戦争を長引かせるのだ!(帯より)
という文句に目を引かれ購入しました。彼の「戦争が平和をもたらす」という逆説は、戦争を学ぶ機会の少ない我々には無い発想です。
著者は、今日の戦争が長引く理由を以下のように説明しています。
外部からの介入によって、「決定的な勝利」と「戦争による疲弊」という二つの終戦要因が阻止されるからだ。(本文より)
確かに、アメリカや国連が介入した近年の紛争(アフガン、イラク、アフリカの方など)はダラダラと不安定な状態が続いています。中途半端な状態で他国が介入する事で戦争当事国はまだ戦える余力を残してしまい、難民は保護される事で自立への道を閉ざされます。
この本は非常に冷徹かつ現実的な戦略の視点で書かれています。「暴力」「戦争」「平和」「同盟」のなんたるかを理解している事がイギリスの強みであり、「生命の法則」を無視した国は滅び、トランプ大統領には未来がある。反戦主義者やフェミニストが読んだら卒倒しそうな内容ではありますが、これが国際社会の現実です。
ルトワック氏は安倍総理と会談したこともある人で、本にはロシアや中国や北朝鮮といった日本周辺の国のことも書かれており、タイムリーで為になる本なのでオススメです。
(おわり)