猫兎ライフ

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テンプル騎士団【読書感想文】『テンプル騎士団』佐藤賢一/集英社新書

   

 

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十字軍が聖地エルサレムを奪還する

巡礼者が増えるが野盗やイスラム教徒に襲われる

巡礼者を守るべくユーグ・ドゥ・パイヤン(初代総長:グランドマスター)が自警団めいたことを始める

志を同じくする9人が集まる

修道宣誓を行う

活動が認められて諸侯から寄付を受けるようになる

規模が拡大

十字軍の遠征や拠点の防衛任務に就くようになる

修道会の規律があるので一般の軍勢より格段に強い

前線での活動を支えるため寄付された土地等を活用して資産を増やす

勢力拡大に伴い各地に支部ができる

支部間のネットワークを活用して銀行業のようなことを始める

各支部は砦であり当時唯一ともいえる常備軍がいるので王侯も資産を預けるようになる

会計や資産管理までテンプル騎士団に一任する王も出てくる

フランス王フィリップ4世は財布を握られ軍事的にも優位のテンプル騎士団を疎ましく思う

1307年10月13日金曜日フランス各地のテンプル騎士団が一斉に検挙される

ありもしない罪状で火あぶりとかされる

生き残りもいたが事実上の解散

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テンプル騎士団のことが非常によくわかりやすく書かれた本だった。フリーメイソン的な怪しい謎めいた組織だと思っていたが、その成り立ちや発展過程もよく解説されていた。ジェダイの騎士の元ネタ的存在だし、総長(グランドマスター)という呼称もテンプル騎士団が発祥だ。悪名高い「13日の金曜日」もテンプル騎士団一斉検挙の日が13日の金曜日だったからだ。

普通に読み物として面白いし、西洋文化の教養としてもおすすめ。

テンプル騎士団 (集英社新書)

テンプル騎士団 (集英社新書)