タイトルの通り、「7つの習慣」は他の自己啓発本が必要ないと思えるほど充実した内容の本です。ドッグイヤーや傍線の箇所が多すぎて、全てを紹介するのは不可能なので、是非実際に読むことをお勧めします。これで2200円(税抜き)は、安すぎです。
CONTENTS
はじめに
第一部 パラダイムと原則
7つの習慣とは
第二部 私的成功
第1の習慣 主体的である
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
第3の習慣 最優先事項を優先する
第三部 公的成功
第4の習慣 Win-Winを考える
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
第6の習慣 シナジーを創り出す
第4部 再新再生
第7の習慣 刃を研ぐ
再びインサイドアウト
私がよく受ける質問
付録
問題解決のための索引
以下、気になったフレーズを紹介しつつ感想を述べていきます。
ウォール街に代表されるような私たちの社会は、今すぐに結果を出せと叫んでいる。しかし、今日の結果を出す必要性と、明日の成功に結びつく能力に投資する必要性とのバランスをとらなければならないのだ。それと同じことは、自分の健康、結婚生活、家族の絆、自分が所属するコミュニティのニーズについても言える。(はじめに)
この本最大の特徴は、この文に集約されているといえます。単に仕事のノウハウに関する内容ではなく、その場しのぎのテクニックでもありません。人生を大きく捉え、時間的、社会的に広い範囲が考慮されているところに特徴があります。私も普段生活していると、目先のことや仕事のことのみに意識が集中してしまいますが、人生とはそんなに矮小なものではないはずです。
人間を人間たらしめているのは、感情でも、気分でもない。思考ですらない。自分の感情や気分や思考を切り離して考えられることが、人間と動物の決定的な違いである。(第1の習慣:主体的である)
これは、「responsibility(責任)」という単語が引き合いに出され解説されていました。responsibilityは、response(反応)とability(能力)の2つからなりたっていると。主体性のある人は、外部からの刺激や、自分の感情に流されず、自分の選択に結果として行動を起こします。主体的であることは、本当に重要なことだと思います。外からの刺激に反応するだけならば、パブロフの犬にも可能です。
問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である。そのような考え方は、自分の外にあるものに支配されるのを許していることだ。(第1の習慣:主体的である)
これもよくよく自戒すべき内容です。何か問題に突き当たった時、その問題を自分の外に認識してしまえば、自分にはどうしようもないこと、となってしまいます。自分は外的要因によって、いくらでも左右される存在だと認めているようなものです。つらいことですが、問題は自分の中に見出して初めて対処可能になり、主体的な選択が可能になるのです。
人はむなしい勝利を手にすることがよくある。成功のためにと犠牲にしたことが、実は成功よりはるかに大事なものだったと突然思い知らされる。(第2の習慣:終わりを思い描くところから始める)
「第2の習慣:終わりを思い描くところから始める」は、計画を立てることの重要性を説いています。目指すべき目標があり、計画を立て、実行する。例えば、どこかへ移動する際は、行き先を定め、経路を決めて、それから出発します。行き先もわからないまま車を走らせては、何処へ行き着くかわかったものではありません。本当に行きたかった場所とは反対方向に進んでいたかもしれません。仕事をするときは、概ねこの手順を踏めていると思いますが、私生活や人生全般を考えた時はどうでしょうか。 この週末の目標は?どう過ごすかの計画は?目標も計画もなければ、無為に過ごしてしまうのは目に見えています。ただただお金を浪費して、望む人生から遠ざかってしまうかもしれません。
大切なことは、スケジュールに優先順位をつけることではなく、優先すべきことをスケジュールにすることなのである。(第3の習慣:最優先事項を優先する)
この本では、急ぎではないが重要なタスク(いわゆる第Ⅱ領域)の重要性を強調しています。この第Ⅱ領域のタスクには、自分の能力を高めることや、準備・計画、心身をリラックスさせることなどが含まれています。これらは、とても大切なことではありますが、目先の仕事に追われていると、どうしても後回しになってしまいがちです。第3の習慣では、文字通り最優先事項を優先するための方法が紹介されています。
【まとめ】
このほかにも、紹介したい文はたくさんあるのですが、きりがないのでここまでにします。何度も繰り返しますが、他の自己啓発本がいらないくらい充実した内容の本でした。引用、たとえ話、論理の構成どれをとっても高いレベルでまとまっており、読み易くどんどん頭に入ってきます。ただ、私は一回読んだだけでは消化しきれなかったので、また何度か読みたいと思っています。
- 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2013/08/30
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