猫兎ライフ

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自転車の取り締まり強化について考える【ニュース】

headlines.yahoo.co.jp

 

自転車の問題点

6月1日から、自転車への取り締まりが強化されました。近年、ブレーキがついていない自転車や、歩道での危険な走行が問題視されており、人との接触で相手を死亡させるという事件もありました。自転車は、法律上軽車両という分類がなされますが、歩行者と車の中間という微妙な立場が、これらの問題の原因の一つにあるのではないかと思います。

   

そもそも論

今回は、自転車に対する規制強化がなされました。しかし、自転車への規制を強化せざるを得なかったそもそもの理由とはなんなのでしょうか?私が考えるに、理由は3つあります。

1つめは、自転車が無免許で乗れるということです。自転車も車両の一種として、法律の規制を受けます。一時停止などは守らなければなりません。さらに、死亡事故が示しているように、たかが自転車といえど接触相手を死に至らしめるほどの危険を秘めています。自動車ならば、知識と技量が認められて試験に合格しなければ免許を手に入れることはできません。しかし、自転車は無免許で乗れてしまうため、守るべきルールも分からず、公道を走り得る技量もないまま、その危険性を認識することなく運転できてしまいます。自転車の免許制度まで導入する必要はないと思いますが、講習ぐらいはあっても良いのではないかと思います。

2つめは、道路が整備されていないということです。法律上、自転車は基本的に車道を走ることになっています。それではと、車道を走ると明らかに車の通行の邪魔になります。日本の道路は、自転車の通行を考慮に入れて設計されているとは思えません。歩道は歩道で、自転車専用レーンがあるのはごくわずかで、狭い歩道を走る自転車は歩行者にとって極めて危険です。こんな状況で歩行者に迷惑をかけずに自転車に乗れるかというのは甚だ疑問です。自転車レーンを造ろうにも、道幅的に余裕はないと思います。

3つめは、事故の発生が前提になっていないことです。自動車の場合、必ず自賠責保険に加入しなければなりません。また、足りない保証分を補うために自動車保険に加入している人がほとんどだと思います。事故を防止することもさることながら、事故が起こった際の、被害者加害者の金銭面での保証がしっかりなされているのです。しかし自転車では、保険に入っていないことが多く、万が一事故が起きた場合に当事者双方が不幸になるパターンが多いようです。莫大な慰謝料・治療費を保険未加入のため工面できない、というような場合です。

自転車は良い乗り物

規制が強化されて、自転車に対する風当たりが強くなってきている気もしますが、自転車は良い乗り物だと思います。自転車自体安く、税金や燃料費もかからないため、非常にお財布に優しいです。排気ガスもないので、環境にも優しいです。近年の環境への意識の高まりから、自転車人口が増加したのも、自転車マナー問題や自転車事故が問題視されるようになった一因ではないかと思います。今回の規制強化で、自転車を控えて車を使う人が増えてしまうのではないかと心配しています。車の方が環境に悪いですし、お金もくいますし、多くの人の命を奪ってきました。

参考本

 ↓ 過去記事です。

catrabbitnekousagi.hatenadiary.jp

 

自動車の社会的費用 (岩波新書 青版 B-47)

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