猫兎ライフ

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これだけやれば、成功間違いなし!日本人だけが知らない究極の方法。【雑感】

(注)ノウハウの記事ではありません

煽るようなタイトルの記事ですが、ノウハウやメゾットの記事ではありません。紛らわしくて、すいません。ですが、最近この記事のタイトルのような文言をよく見かけるようになったと思いませんか?「●●で成功するためのたった3つの習慣」とか「■■できるのは日本人だけ」とか、そういった類のものです。

不安の裏返し

このような文を多く見かけるようになった背景には、「不安」があるのだと思います。景気は一向に良くならず、消費税は上がり、少子高齢化は進み、隣国とも揉めています。先行きの見えないこの状況で「これだけ!」と断言してくれると、なんだか安心します。そしてこの閉塞感から抜け出したいために「成功」したいとは、誰もが考えるとことでしょう。インターネット上には、無限とも言える情報があふれています。その中で、自ら有用な情報を取捨選択していくのは、なかなか骨の折れる作業です。

また、否応なしに社会が国際化していくなかで、自分が「日本人」だと意識する機会も増えたのではないかと思います。そうすると、「日本人だけが」というキーワードに敏感に反応するようになってしまいます。

 

国語的にどうなのか?

しかし、「これだけ・日本人だけ」「成功」という言葉を目にするたびに、私は違和感を感じていました。そしてこの違和感を解き明かすカギは、国語にありました。

私は国語の科目が苦手で、高校受験時には必死で勉強したのを覚えています。国語の長文問題の解法で、大きな原則が一つありました。

それは『断定的な表現の選択肢は間違い』というものです。

「全く」や「〜だけ」を含んだ選択肢は、間違っているということです。それもそのはずで、世の中には確実な物事など何一つないからです。理数系の論文でもない限り、厳密な意味での断定表現は使えないはずです。冷静に考えれば、「これだけ」「日本人だけ」という表現が正しくないというのはわかるのですが、それでもついついそういったタイトルの記事や本を見てしまうのは人間の性といったところでしょうか(笑)

続いて「成功」に関してですが、「成功」とは一体なんなのでしょうか?国語辞書で調べても、漠然とした答えしか返ってこないはずです。成功するといっても、具体的にどうしたいのかは、個人によって異なります。起業して社長になりたいのか、外資系の会社でバリバリ稼ぎたいのか、幸せな家庭を築くことなのか。漠然と成功を追い求めても成功にたどり着くことはないと思います。なぜなら、成功には実体がないからです。怪しい本やセミナーで時間とお金を浪費するよりも、自分にとっての成功とはなんなのか、しっかりと自らに問いかける時間を持つべきだと思います。

 

   

 

【まとめ】

・「〜だけ」「成功」というワードは、こちらの不安を利用している。

・ 「〜だけ」という表現は、国語的に間違い。

・「成功」は、自分にとっての意味をよく考えるべし。

批判的な記事になってしまいましたが、これらの表現が悪いとは思っていません。読者を引きつけるためには、極めて有効な手法だと思います。問題は読み手の方です。自分の思考を放棄せず、常に自分との対話を怠らないことが重要です。そんな態度を身につけていないと、不安ビジネス、成功ビジネスに貴重な時間とお金を搾取されることになります。

 

日本人は「気づくだけ」でもっと幸せになる

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