【紹介】
零戦の主任設計者である、堀越二郎さんによる著書です。2013年にスタジオジブリから公開された映画「風立ちぬ」の主人公の、あの二郎さんです。
【概要】
海軍からの計画要求書の受け取りから、零戦の完成、終戦までが書かれています。不可能とも思われる海軍からの要求に対し、グラム単位まで切り詰めた設計を行い、テストパイロットの尊い犠牲を糧にしながら初陣にこぎつけました。実戦配備後も改良を続けて性能向上させるも、米軍の新戦法(急降下、一撃離脱)や、相次ぐ新型戦闘機(P-38、F4F、グラマンF6Fヘルキャット)の登場により、次第に零戦の優位は失われていきます。戦争末期には零戦が特攻に使われるようになり、そして終戦を迎えます。
【感想】
一言で表せば、技術者の本だなという感想です。政治的、信条的な記述はほとんど無く、淡々と研究開発の様子が書かれています。ジブリ映画のような、奥さんとの関係や、同僚との人間関係は書かれていないので、そういったものを期待していると拍子抜けするかもしれません。零戦の図面がところどころに挿入されているので、工学出身者、図面萌えの人にはオススメです。