【紹介】
『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)』に続く、池上彰さんと佐藤優さんの対談本第2弾です。
目次
はじめに 池上彰
1 なぜ、いま、大世界史か
2 中東こそ大逆転の震源地
3 オスマン帝国の逆襲
4 習近平の中国は明王朝
5 ドイツ帝国の復活が問題だ
6 「アメリカvs.ロシア」の地政学
7 「右」も「左」も沖縄を知らない
8 「イスラム国」が核を持つ日
9 ウェストファリア条約から始まる
10 ビリギャルの世界史的意義
11 最強の世界史勉強法
おわりに 佐藤優
世界史を学ぶためのブックリスト
【感想】
…私たちが歴史を学ぶのは、一言で言えば、今の自分の立ち位置を知るためですね。(本文より/池上)
激動の現代をより理解するために歴史を学ぶというのが、この本のトンセプトです。現在の自分の立ち位置を知るためには、一歩引いた視点が必要です。視野の低いアリは、自分がいま球体の上を歩いているのか、平面の上を歩いているのか容易には判断できないでしょう。人も同じで、自分の立ち位置を知るためには俯瞰的は視点を持つ必要があります。
前作に引き続き、とても勉強になる内容でした。歴史を知らないと現代社会は理解できないとつくづく痛感させられました。
…20年後、30年後に今の時代を振り返った時、「ここが歴史の転換点だったのだ」と思うのではないでしょうか。(本文より/佐藤)
いまを生きる我々現代人には、歴史の転換点をリアルタイムで気づくことはおそらく不可能でしょう。ですが、歴史を学ぶことによって、着実に世界は変化しつつあると気づくことができると思います。外交、経済、軍事等どの分野を見てみても、数年前とはかなり変化しています。ベッキーだのSMAPだの、世俗的なニュースに浮かれている場合ではありません。
引用していると、本当にきりがなくなってしまいます。気になったテーマは、「アメリカの王朝」「日本が帝国であった過去」「ウェストファリア条約」「乳児死亡率の低下による少子化」「本土と沖縄の溝」などです。
タイトルの通り、本当に「現代を生きぬく最強の教科書」 だと思います。
(おわり)