猫兎ライフ

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休むのが下手な日本人【読書感想文】『英国のOFF 上手な人生の休み方』入江敦彦/新潮社

   

 

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【紹介】

ロンドン在住の著者が、イギリス流のOFFの楽しみ方を紹介している本です。

 

英国のOFF: 上手な人生の休み方 (とんぼの本)

英国のOFF: 上手な人生の休み方 (とんぼの本)

 

 

【感想】

休むのが下手な日本人は、イギリス人を見習えば良いです。この本を読むと、いかにイギリス人がOFFを大事にしているかがわかります。

人生単位、年代単位から、一年、一シーズン、一ヶ月、一週間、一日単位、朝昼晩と時間を区切ってイギリス人は日々の営みにアクセントを刻んでゆく。そんな「暮らしのメリハリ」を彼らはOFFと呼ぶ。(本文より)

田舎にはおいしい食べ物とビールがあって、昼間から飲んでいるひともたくさんいて、ちょっとしたもののコレクションやジャムの自作に夢中になったりする。イギリスは本当に素敵な国だと思います。日本とは違って、「休む=悪いこと」という考え方がないのでしょう。

日本人は茶道の影響か、つい、そんな英国のお茶についても厳密な作法や淹れ方があると考えてしまう。型にはめ、”道”を見つけようとする。滑稽だとはいわないけれど、そんな人たちにこそ茶の湯の哲学を紐解いてほしい。「Cup of tea?」に観るもてなし精神。道具に拘泥しない侘び心。シチュエーションを味わう、しつらえや見立ての愉しみ。それらはすべて形を変えた茶の心の顕れではないか。(本文より)

日本人は、自分で自分の首を絞めるのが得意です。定時に帰れない空気を作ったり、危険を顧みずに組体操の段を高くしたり、高価な割に機能性に乏しいランドセルにこだわったり。冷静に考えれば自分たちには損しかないことを、平然とやってのけています。

もっと、手の抜き方というか気の抜き方みたいなものを、他の国、他の文化圏から学ぶことが大切だと思います。

(おわり)