【紹介】
「思考の整理学」「ライフワークの思想」などの著書で有名な、外山滋比古さんの本です。
【感想】
思考についてや、文章の書き方などが書かれたエッセイです。頭の良い人が書いた文章だなという印象を受けました。以前、「思考の整理学」を読んで以来、この人の著書を見かけたら読むようにしています。徹底的に、「考える」ことを書いている人です。
コンピューターがあらわれて、知識の記憶、再生が人間の独占でなくなったことを、未だに気づかずにいる人が多い。情報処理の能力では機械の方が人間よりはるかにすぐれている。
人間らしい人間であると、胸を張って生きていくためには、機械のできない”考える”ことをしなくてはウソである。”考える”ことを考える必要がある。(本文より)
私がこの人の著書に惹かれる理由は、ここにあります。人工知能やロボットが進歩すれば、いま人間のやっていることはどんどん取って代わられていくでしょう。人間固有の価値というのは、この「考える」ことだと、最近感じるようになりました。生きていく上で直接的には役に立たない内容かもしれませんが、この本にあるような「考える事」や、「哲学」「論理学」などが、いつか身を助ける事になるのではないかと思います。
(おわり)