「さて、と」
「仕事は終わったけど、今から帰ると3時を過ぎてしまいそうだな。帰る途中で腹がペコちゃんになったら惨めだから、何か食べていくか。ふふふ…外食なんて久しぶりだぞ。」
「とはいえ、夏バテ気味であんまり食欲はないんだよ。なにかこう…食べやすいものはないものか。」
「ほう!いかにも昼飯にちょうど良さそうな中華だ。そしてこの「冷し担々麺」というのが、すごい気になる。一度気になりだしたら、食べるまで気が済まないタチだぞ、俺は。」
「ええい、迷うまでもない。今日のランチは冷やし担々麺だ。」
「思っていたより、シンプルな外観だ。どれどれ、味は…と…うん。主張し過ぎない麺に、さっぱりめの胡麻ダレか。あっさりしていて、食が進むぞ。」
「肉は、と。うん、うん。タレがあっさりしている分、肉はパンチがある。濃い味付けと、ラー油の辛さがたまらん。暑い夏には辛い食べ物に限るな。」
「底に敷いてある野菜は、レタスか。これも地味だが、全体の味の引き締めには最高だ。」
「ふう。調子に乗って、サイドメニューを頼まなくて正解だったな。見た目に反して、結構食べ応えがあった。レタスがいい仕事をしていたな。」
(おわり)