猫兎ライフ

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戦いを宿命づけられた3番目(サード)の子ども【読書感想文】『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード/ハヤカワ文庫

   

 

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【紹介】

1985年原作のSF小説です。

【感想】

地球は恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。(裏表紙より) 

最近読んだ中で1番面白い本でした。大人たちの陰謀に乗せられながらも、成長し仲間を見つけていくストーリーはまさに王道です。まだ商用ネットワークが始まる前、最初期のパソコンが出回り始めた時代の小説なのですが、タブレット型の端末(デスク)やインターネット、近年のSNSで見られる炎上のような手法も書かれており、全く古臭さを感じませんでした。1周回って現代の読者にも受け入れられる内容です。

物語のラストがまた秀逸で、何度も読み返してしまいます。もう10回以上はメイザー・ラッカムのセリフを読みました。

「厳しい選択をしたな、坊や。…だが、間違いなく、ああするしか手はなかったのだ。…」(メイザー・ラッカム/本文より)

有名な小説なのでストーリーを知っている人も多いかと思いますが、まだ知らないのなら是非ネタバレなしで読むことをオススメします。

「新世紀エヴァンゲリオン」のサード・チルドレンという呼称や大人の陰謀で戦いに駆り出されていく碇シンジの様子は、エンダーのゲームが元ネタになっているのではないかと感じました。この本を読んでいたら、なぜかMGS2の雷電やトータルリコールのシュワちゃんを思い出しました。

これ以後のSFに多大な影響を与えているであろう名著です。

 

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

 

 

(おわり)