【紹介】
古書にまつわる事件を書いた小説「ビブリア古書堂の事件手帳」シリーズが7巻で完結しました。
【感想】
7巻で完結したことを知って買った5・6・7巻は一気に読んでしまいました。6巻では解決したと思われた「晩年」が再び不気味な影を投げかけ、7巻では最大級の古書ウィリアム・シェイクスピアの「ファースト・フォリオ」が登場します。過去の人間関係が明かされ、最高レベルの古書の謎も解かれ、母娘の間も決着し、物語の盛り上がり・読了感共に最高の本でした。物語が終わってしまったのが少し寂しいです。
この話には色々な人物が登場します。古書を追って家族を捨ててしまった人から、身内にゆかりのある古書を求めるばかり暴力に走る人物まで様々です。もちろん犯罪を擁護することはできないのですが、それら熱狂的な人たちを羨ましく思います。それほどまでに熱中できる対象があることは素晴らしいことだと思います。
古書という文化に関しても、今後は廃れてしまうのではないかと思っています。昔は印刷技術が未熟で本自体が貴重だったため部数が少ないことや凝った装丁などによりプレミアがつきましたが、大量生産が可能となった現代の本にはもはや古書として価値はつかないのだろうと思います。ましてや電子書籍ともなれば、原本と全く同じものが全くの劣化なく、いくらでも複製可能です。
本編としては完結ですが、スピンオフ的な作品が出るらしいので今後も楽しみです。
ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
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ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)
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(おわり)