【紹介】
老人が真理を伝え、若者が反発する。良くあるパターンの構成のお話。
「人間が自分で生み出すものは、何ひとつない ー ひとつの意見でさえも、ひとつの考えでさえも、生み出すことはできないのだ」(背表紙より)
【感想】
読んだのがちょっと前なので詳しい内容は忘れてしまったが、決定論的な内容の話だった。人の思考や行動は、教育や育った環境などの外的要因で決まるもので、オリジナルな要素は何もない。というような主張を老人が繰り広げる。
だから人間の人生など無価値だというのがこの本の結論ではない。外的要因によって人格が形成されるなら、犯罪行為の責任はどこにあるのか?利己行為・利他行為のモチベーションは?etc...etc...
「人は外的要因によってのみ決定される」と仮定することで、人間とは何かを問う思考実験的な本だった。最近アンドロイド(ロボット)関連の本も読んでいるので、より興味深く感じた。
(おわり)