【紹介】
月刊少年ガンガンで連載されていた同名漫画をアニメ化したもの。
物質を分解して別のものを再構築する技術”錬金術”が存在する世界で、片手片足を失った兄と、全身を失った弟が、それを取り戻そうとする物語。
【感想】
ハガレンのアニメには原作に忠実なものと、オリジナルシナリオのものがある。今回観たのは前者の方。漫画も好きなのだが、アニメも良かった。
アニメ・漫画の区分なく、なぜハガレンがこうも面白いのか考えた。
〈目的が一貫している〉
主人公たちの目的は、身体を取り戻すこと。これが始まりから終わりまでブレない。主人公たちは、それこそ文字通りにアメストリス中を縦横無尽に行き来して、様々な人物たちと出会うことになる。それらは全て、身体を取り戻すための行動なのだ。賢者の石の噂を聞きつけてレト教を調査し、生体錬成の権威に学ぶためにタッカー氏の下を訪れ、身体を取り戻す手段として国家錬金術師となったがためにスカーに命を狙われることになる。
目的が一貫しているおかげで、着地地点が見えているので無理に話を広める必要もない。「●●編」とかいって話がブツ切れになることはないし、「なん…だと…」のどんでん返し合戦にもならないし、「私の戦闘力は530000です」でインフレになることもない。
〈分かりやすい〉
ハガレンの舞台となる国アメストリスは、丸い形をしている。(この丸さにも意味があることが後々明らかになるのだが)セントラルを中心に、南北東西に国が広がっている。東に行けばリゼンブールやイシュバール、クセルクセスの遺跡、砂漠、シンがある。北に行けばブリックスの北壁があり、さらに北にはドラクマが控えている。西と南に何があるかは正直よく分からん。ともかく、単純な地形をしているので、架空の国でもすんなり話が頭に入ってくるのだ。
〈スケールが大きい〉
ロマンは大事。兄弟2人の個人的な問題を追っていたはずが、軍の陰謀、国の危機と事件に巻き込まれ、ひいては国の成り立ちにまで遡ることになる。ラスボスはこれまた規格外で、5000万人の命を犠牲にして神を地上に引きずり落とし、自らに取り込んでしまう。
〈人の死が重い〉
人の死がとにかく重い。それがこの漫画一番の特徴かもしれない。ニーナとアレキサンダーの件、ヒューズの死、フーとバッカニアの犠牲etc...etc...。鬱回が多い。そもそもエドとアルの旅路の根底には母親の死があった。人類が巨人に蹂躙されたり、変なスーツ着て宇宙人と戦わせられたり、7つの球で人が生き返ったりするする漫画とは命の重さが大違い。
【まとめ】
ハガレン、おもしろいよ。
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(おわり)