中国の作家、劉慈欣によるSF小説。ヒューゴー賞を受賞するなど、話題の一冊。この「三体」は、三部作の第一作目に当たる。
中国のSFというのは珍しい。初めて読んだ。というか中国の本自体そんなに読んだことはない。今まで読んだ中国の本は「孫子」と「超限戦」だけだった気がする。軍事に偏っているのはご愛敬。この「三体」もわざわざ翻訳されて海を渡ってきたのだから、それだけ売れる可能性がある(面白い)ということなのだろう。
物語は1967年の文化大革命の場面から始まる。それでもう引き込まれる。文革のことは正直あまり知らない。異国の昔の話。それだけでもうファンタジー。(今度文革についてしっかり勉強しようと思う。)
話はとにかく面白い。スケールがどんどん大きくなっていく。VRゲーム?カルト集団?未知との遭遇?文明間宇宙戦争?
理系心をくすぐるネタも盛りだくさん。三体内で科学の偉人が何人も登場したり、量子コンピューターで話題の粒子のスピンの話も出てきたり。科学のレベルが高い国でしか生まれなかった小説であろうし、売れない本だったなと感じた。中国侮るべからず。
続編気になる。
超良いところで終わったからな。
(おわり)