JOKERに出てくる「あの階段」は実在する。
住所は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブロンクス シェイクスピアアヴェニュー1165 だ。
映画の公開以降、聖地巡礼で人があふれて大変だとか、そうじゃないとか。
GoogleMapで「Joker stairs」と検索すれば出てくる。
前にニューヨークを訪れたときに見たことあるかもと思ったが、マンハッタンの外には行ってなかったので気のせいだった。
ところでJOKERでは印象的な階段のシーンが多い。もちろんラストの踊りながら下りるシーンもそうだが、他にもある。
路地裏で袋叩きにあい、市のカウンセリングを受け、家に帰るためにあの階段を上るシーン。
楽器屋のセール看板の件で上司の理解を得られず、叱責を受けたのちの帰路のシーン。
ピエロ屋(?)をクビになり、タイムカードの機械を殴って壊して、階段を下りてドアを蹴破ったシーン。
色々吹っ切れてJOKERとなって、テレビ局へ向かうため踊りながら階段を下りるシーン。
2度見て気付いたことがある。階段を上るシーンは暗く陰鬱とした雰囲気で、階段を下るシーンは明るく軽快なのだ。
底辺にいる主人公は、なんとか這い上がろうともがいている。仕事には一生懸命だし、コメディアンになるべく努力している。しかし結果は付いてこない。状況は悪くなる一方。どんどん堕ちてゆく。
この主人公の置かれている立場を、階段で表現しているのではなかろうか。登ろうとしても上手くいかず、ちょっとしたきっかけで堕ちてゆく。そして堕ちるというのは清々しくて心地よいものなのかもしれない。
この映画はハッピーエンドだと、つくづく思う。
(おわり)