満州にいた日本軍の鉄道部隊について書かれた本。鉄道連隊に所属していた著者の父親が残したメモを手掛かりに、韓国・中国・ロシアとその足跡を追っていく。
戦争や軍隊の本は多いが、兵站について書かれた本は少ない。そのなかでも鉄道部隊をあつかったものはかなりニッチな部類にはいるだろう。
実際に鉄道が敷かれていた土地を旅しながら、戦争当時を振り返ったりする。こういうのは紀行文と呼べばよいのか?
思えば、先の戦争と鉄道との関係は深い。張作霖爆殺事件に柳条湖事件。重大な事件は鉄道で起こっていた。てか、この本読んでて気づいたんだけど、俺、大東亜戦争の流れが全然わかってない。真珠湾攻撃したのはハルノートのせいだったらしいけど、それは日本が大陸に進出し過ぎたせいで、でも日本が拡大路線を取ったのは欧米の植民地化に対抗するためで……卵が先か鶏が先かみたいな議論になってしまう。誰かが言っていたけど、ペリーが来て不平等条約を押し付けたのがそもそもの始まりなんじゃないかと、ぼんやり思う。この辺はまたしっかり勉強せねば。
ハルビン中心部から南へ20キロ。……そこは、かつての関東軍731部隊の本部。「石井部隊」とも呼ばれる細菌兵器の研究施設があった場所だった。(3章悲劇の大地より)
この本の本題ではないが、731部隊に関する記述もあった。731部隊のことも良く知らないので、調べたい。日本軍の負の部分も勉強しよう。どの国も戦争では酷いことしてるけどね。ロシアのシベリア抑留も最悪の部類だと思う。
最後に感想を述べるならば、作中でずっとマズイマズイ言われてたロシアの黒パンの味が気になる。
(おわり)