都市で進化する生物について書かれた本。
俺、街にいるハトとか見るの好きなんだよね。
都市で進化する生物として有名なのはシモフリガだ。煤煙で木が黒くなって、明るい色のシモフリガが淘汰されて、暗い色の個体が増えていったという。これね、最近大気汚染が改善されたのに伴って、白いガが増えているんだって。
いやあ実に興味深い本だった。やたら黒っぽくて小汚いハトいるじゃん?黒っぽいハトの方が重金属に対する耐性が高いんだとさ。街で見かけるハトは単に油で汚れているだけだと思うけど。横浜駅周辺油ギッシュなハト多いよね。
極めつけはPCBに耐性を持つ魚の出現だね。カネミ油症事件の原因にもなった、毒性の強い物質だ。なんと、この超有毒物質を含む水域でも元気に生きている魚がいるらしいのだ。生物の進化ってスゲーよな。適応力というか。都会では道路わきの僅かな植生スペースに適応するようにタンポポが進化しているらしいし。
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んだときは環境汚染ヤバイって思ったけど、全生物的に見れば案外何とかなるのかも知れんね。ただ人間が引き起こす環境の変化は大きすぎるので、適応する前に種が滅んでしまう危険は当然ある。
思い返せば、俺らのご先祖の哺乳類も隕石の墜落で環境が激変した地球を生き残ったんだよね。じつに感慨深い。うかうかしていたら、次の環境の大変化では人類が滅んで昆虫とか他の生き物が地球の支配者になるかもしれない。
(おわり)