鬼滅の刃の映画を3回観た。通常版とIMAX版と4DX版だ。
内容は置いといて、通常版とIMAX版と4DX版の違いについて書こうと思う。
内容は文句なしに最高だった。3回も観たんだからそこんところは察してほしい。作画、演出、音楽、声優の熱演…どれも最高だった。内容の好き嫌いはあるだろうけど、このクオリティの高さが分からない奴は正直ボンクラだと思う。
【通常版】
まあ普通だった。これが基準だから特に言うことはなし。
やっぱ映画館はいいよね。大きな画面に大音響。
【IMAX版】
映画として楽しむなら、IMAX版が最高だと思う。
画面はより大きいし、音響の質も高い。
感動したのが、低音の振動。低音が爆音で鳴るもんだから、シアターが震える。煉獄さんが炎の呼吸を使えば、俺の座席まで揺れる。「ドカン」ってぐらい。
あと爆音が鳴るぶん、無音がより引き立つ。全くの無音になる場面があるんだけど、鳥肌が立つくらいシーンとなる。
臨場感が半端ないし、映画に集中できる。とても良いものだ。
【4DX版】
4DX版は…映画とは別物のアトラクションって感じだったな。
映画の内容に合わせて座席が揺れるんだけど、登場人物が歩いただけで揺れたりする。半端ないコレジャナイ感。タイミングが悪い。アクションシーンとかだとかなり激しく揺れる。踏ん張らないと振り落とされるレベルで。どっかんどっかん揺れるもんだから画面も観辛い。全然映画に集中できなかった。
あと画質と音響が弱い気がした。たまたま俺が行った映画館が弱かったのか。画面のピントずれてボケてる感じだったし。猗窩座登場シーンのあのエレキギターも、なんか上の方のスピーカーから鳴ってます感が出てて臨場感に欠けた。機械の作動音がずっと鳴っているので、折角の無音シーンも台無し。映画として基本的な部分をおろそかにしちゃいかんよな。
極めつけは水の呼吸ね。演出に合わせて水が「プシャッ!」って顔に向けて噴出されるようになっている。まあこれが結構な勢いで顔に向かってくる。水量は少ないから濡れはしないんだけど、プシャッっていう音が邪魔だし、びっくりして目を閉じてしまう。手元のスイッチでオフにもできるけど、なにかに負ける気がしたのでオフにしなかった。頼むから炭治郎、水の呼吸を使わないでくれ、って思いながら観てた。てか、剣士の使う呼吸は、実際に水とか炎が出てる訳ではないという公式設定無視じゃん!とか思ったり。あれは鍛錬の成果でそういう風に見えているだけなんだよ。川にドボンするシーンでは水出なかったし。なんなんだこれ。
ラストで座席キックされたのも衝撃だった。終盤の良いところで座席に走る衝撃。背中の中ほどにドンッってされた。座席蹴られたかと思ったけど、ちょっと様子が違う。4DXの演出だと気づくまでに数秒を要した。炭治郎のジャベリンが猗窩座に突き刺さるシーンで、座席背面から打撃を受けたのだ。なるほどね、猗窩座が受けた攻撃を再現したのか。ここで浮かぶ疑問。俺はいつから猗窩座になったの?刀を投げる炭治郎側ならともかく、鬼の側って。
4DXを観てずっと感じていた違和感の正体と、没入できなかった原因はまさにここだ。この映画を観ている自分の視点はいったい何者なのか、という問題だ。主人公視点なのか、第三者なのか、全てを俯瞰する神の視点なのか。通常版とIMAX版を観ているときには、視点が気になることは無かった。でも4DX版だと、キャラが歩いただけで振動したり、水の呼吸を使うたびに水が出たりするし、背中に刀が刺さりもする。自分が何者なのか気になってしょうがなくなる。俺は歩いている善逸?滝壺を放っている炭治郎?はたまた太陽から逃げる上弦の参?
【まとめ】
映画として集中して観たいならIMAX版がオススメ。
4DXは別物のアトラクションとして楽しむべし。
主人公密着視点とか、POV方式なら4DXも良いのではないかと思う。
(おわり)