猫兎ライフ

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意外と重いテーマ【読書感想文】『モモ』ミヒャエル・エンデ/岩波少年文庫

   

 

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【紹介】

ミヒャエル・エンデによる児童文学の名作。

【感想】

この作品を知ったのは、ゼノサーガが理由。モモの元ネタが確かこの本だったはず。それくらい、後世の作品にも影響を与えている名作。

いつの時代か、どこの場所かも確かではない街を舞台に、主人公の女の子と住民が交流するところから物語は始まる。のほほんとした雰囲気で話は進むが、途中から一気に重くなる。「時間泥棒」こと灰色の男たちが登場し、世界は一変する。

児童文学という割には文量が多く、テーマも重い。人にとって時間とはなんなのか、豊かさとはなんなのかを考えさせられる作品だった。大人でも十分楽しめる内容だった。

人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、かなえられてしまうことなんだよ。いずれにせよ、ぼくのような場合はそうなんだ。ぼくにはもう夢がのこっていない。(ジジ/本文より)

 

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

 

 

(おわり)