私は、ひと月ほど前からブログを始めています。自分のペースで好き勝手な内容を書いているのですが、ふと人に伝わる言葉とはどんなものなのだろうと思っていたところ、書店で面白そうな本を見つけたので、購入しました。
もくじ
はじめに
凡例
ものづくり(企業人格)
家族
学ぶ
食
メッセージ
エコ
年齢
働く
女性
ファッション
お酒
贈る
旅
飼う
掲載企業別索引
[コピーの視点]執筆者紹介
以下、気になった文を引用して感想を述べていきます。この本は、実際に使用された広告コピーと、コピーの視点(現役コピーライターによる解説)の見開き構成になっているのですが、広告コピーを引用すると著作権とか色々と引っかかりそうなので、地の文であるコピーの視点からの引用のみとします。この本には、素敵な広告コピーがたくさん紹介されていますので、気になる方は自分の目で確かめてみてください。
最近よく思うのですが、いまの世の中、真っ直ぐに正直に言った方がきちんと伝わるのかもしれない。(福部明浩)
凝れば凝るほど表現技法は複雑になっていきますが、一番伝わるのはストレートの直球勝負です。シンプルイズベスト。私は、アップルのサイトなどの宣伝文句がシンプルで力強くて大好きです。
コピーの面白いところは、その言葉単体で見るのと、企業名を合わせて見るのでは、響き方が全く違うところです。(福部明浩)
「何」を言うかも大切ですが、「誰」が言うかも大きな要素です。この企業がそんなことを言うか!という広告には目を奪われてしまいます。
古くから存在する商品を担当した時、コピーライターがまずトライするのが「再定義」である。(磯島拓矢)
こういう視点もあるのかと、ハッとさせられる広告があります。どうやったらこんな素敵な広告が書けるのかと思っていたのですが、その鍵は「再定義」にあるようです。対象となる商品をしっかり分析して、よくよく考えぬかないと再定義は難しそうです。
90年代半ばのバブル崩壊後、若いパパたちの間に「人生の最後の砦はやはり家族だ」という感覚が広がったような気がする。(直川隆久)
やはり、人の心をつかむ文書を書くためには時代の変化に敏感である必要があります。時代の変化、人の心情の変化を感じ取り、問題の解決や新たな生き方の提示として商品を紹介する。広告業も、なかなか素敵な仕事なのかもしれません。
広告は時代を映す鏡。宿命的に時代を生き、その先へと視線を向けるのが広告なのだとしたら、「いま、どんな時代なのか」「この時代に、なにを言うべきか」についてまず考えることはコピーライターの大事な仕事です。(国井美果)
“共感できるコピーは強い”(三井明子)
なるほど。読者の共感を得ることも大切です。物事を伝える前に、まず共感を得る。対面コミュニケーションでやっていることを、文章作成の場面でも意識してみると良さそうです。
私は常々、この「補助線」の考え方は、すごくコピーの参考になると思っています。(斉藤賢司)
ある商品に「補助線」を追加してやることで、共感を呼んだり説得力を増したりできるんですね。新たな視点に気付くための補助線としてコピーを考える。共感を呼ぶために、大変参考になる技法です。
この、「断定度のコントロール」という感覚は、コピーを書く上でとても大切。(斉藤賢司)
〜だ。〜のようだ。〜みたいです。など、文章を書くときは、どこまで言い切るかという問題があります。それをここでは断定度と表現しています。この断定度をコントロールするのが大切なんだそうです。確かに、突拍子も無いことを断定的な文調で書いていたら読者の共感は得られず、メッセージは伝わりません。
【まとめ】
ブログを書き始めて、文章を書くプロはどんな着意を持っているのか、と気になってこの本を手に取りました。広告コピーは、短い文の中に伝えたいメッセージがぎゅっと詰まっているので、とても参考になりました。また、現役コピーライターの方々による解説「コピーの視点」も、素人である私にはとても助かりました。あまりに格好良すぎるコピーは、「ハァ」と感嘆してしまい、自分では冷静に分析出来ませんでした。また、著作権などに引っかかりそうで、実際の広告コピーは引用しませんでしたが、本当に素敵な文章ばかりでしたので、純粋に読んでいて楽しかったです。