猫兎ライフ

美味しい食べ物にうまい酒、面白い本に楽しいゲーム、それさえあれば幸せです。

ハンターハンターの連載が再開しないのなら、強くてハンターハンターを読めばいいじゃない。

 

今日もハンターハンターの連載は再開しなかった。休載してから優に2年以上が経っているらしい。

ハンターハンターを読みたいとか、休載続きで内容を忘れてしまったというような人にオススメなのが、『強くてハンターハンター』だ。

seiga.nicovideo.jp

主人公のゴンが最初から強い状態(ゴンさん)で物語が進む漫画だ。鉛筆殴り描きと説明には書いてあるが、絵めちゃ綺麗。原作の画風そのまんま。むしろ読み易いんじゃないかってレベル。さっき知ったけど、これ描いてるのプロの漫画家なんだね。

ちゃんとハンター試験を受けたり、グリードアイランド行ったり、キメラアント編があったりする。原作の流れを踏襲しているので、ストーリーの復讐にもなる。最新話では暗黒大陸編に突入した。

アホなギャグが満載なので俺はとても好き。ケモナーの主張が強いのがまた良い。みんなまず「俺はケモナー」って言ってから自分の名前を名乗るの。名前より性癖優先かよっていうね。

(おわり)

 

鬼滅の刃、好きなセリフランキング~

俺が好きな、鬼滅の刃のセリフランキング~。アニメ・劇場版ね。

【第3位「ううっ!」】

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那谷蜘蛛山終盤。蟲柱・胡蝶しのぶと、繭の鬼が戦うシーン。足蹴にされた鬼の「ううっ!」ってセリフ。セリフと呼んでいいのか知らんけど。繭鬼の声、良いよね。

地味にここは、原作には無かったシーンなのだ。原作では、鬼が蟲柱の”圧”から力量の差を察して命乞いをするのだが、アニメ版ではこの足蹴が入る。原作では文字で説明されているところを、胡蝶が抜刀をせず、あまつさえ手も使わずに足のみで鬼を制圧することによって、実力差を表現しているのだ。馬乗りになっていることで、この後の拷問を説明する場面の凄味も増している。

アニメ版の鬼滅は、基本原作に忠実でありながらも、細かいところにオリジナル要素がある。そのどれもが原作を損なうことなく、作品の魅力を引き出している。

【第2位「太陽」】

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猗窩座いい声だよね。若干の幼さを感じさせつつ、冷酷さと激情が入り混じっている。てか猗窩座と渚カヲルって同じ声優だったんだね。石田彰さん。最近知った。いやー、プロの声優すごいわー。

んで、猗窩座のセリフで一番好きなのが「太陽」。夜明けが近付き撤退する猗窩座。炭治郎に逃げるなと煽られたあとのモノローグ。「俺は鬼殺隊(おまえら)から逃げてるんじゃない太陽から逃げてるんだ」ってセリフの太陽ってところ。声が裏返っている。ブチ切れている感が出ていて、とても素晴らしい。 

【第1位「斧を奪うつもりで絡めた髪がもつれた!クソッ…」】

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声優の熱演が話題になった、アニメ版の鬼滅の刃。確かに、プロの声優はすごかった。だが、お堂の鬼のこのセリフだけはどうにもならなかったんだろうなぁ。溢れる説明文感。声優さんの苦労が偲ばれる。そもそも、鬼滅の原作自体がモノローグとか説明文とか多いから、アニメ化大変だったろう。

【特別賞「泣くな 絶望するな」】

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俺の推しは冨岡さんね。一番好きなセリフは、「生殺与奪の権を…」の後の「泣くな」ってところ。冨岡さんめっちゃいい声してる。素敵だ。

(おわり)

頼むから水の呼吸を使わないでくれ【劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を3回見た感想、通常版・IMAX版・4DX版の比較】

kimetsu.com

 

鬼滅の刃の映画を3回観た。通常版とIMAX版と4DX版だ。

内容は置いといて、通常版とIMAX版と4DX版の違いについて書こうと思う。

内容は文句なしに最高だった。3回も観たんだからそこんところは察してほしい。作画、演出、音楽、声優の熱演…どれも最高だった。内容の好き嫌いはあるだろうけど、このクオリティの高さが分からない奴は正直ボンクラだと思う。

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【通常版】

まあ普通だった。これが基準だから特に言うことはなし。

やっぱ映画館はいいよね。大きな画面に大音響。

 

【IMAX版】

映画として楽しむなら、IMAX版が最高だと思う。

画面はより大きいし、音響の質も高い。

感動したのが、低音の振動。低音が爆音で鳴るもんだから、シアターが震える。煉獄さんが炎の呼吸を使えば、俺の座席まで揺れる。「ドカン」ってぐらい。

あと爆音が鳴るぶん、無音がより引き立つ。全くの無音になる場面があるんだけど、鳥肌が立つくらいシーンとなる。

臨場感が半端ないし、映画に集中できる。とても良いものだ。

 

【4DX版】

4DX版は…映画とは別物のアトラクションって感じだったな。

映画の内容に合わせて座席が揺れるんだけど、登場人物が歩いただけで揺れたりする。半端ないコレジャナイ感。タイミングが悪い。アクションシーンとかだとかなり激しく揺れる。踏ん張らないと振り落とされるレベルで。どっかんどっかん揺れるもんだから画面も観辛い。全然映画に集中できなかった。

あと画質と音響が弱い気がした。たまたま俺が行った映画館が弱かったのか。画面のピントずれてボケてる感じだったし。猗窩座登場シーンのあのエレキギターも、なんか上の方のスピーカーから鳴ってます感が出てて臨場感に欠けた。機械の作動音がずっと鳴っているので、折角の無音シーンも台無し。映画として基本的な部分をおろそかにしちゃいかんよな。

極めつけは水の呼吸ね。演出に合わせて水が「プシャッ!」って顔に向けて噴出されるようになっている。まあこれが結構な勢いで顔に向かってくる。水量は少ないから濡れはしないんだけど、プシャッっていう音が邪魔だし、びっくりして目を閉じてしまう。手元のスイッチでオフにもできるけど、なにかに負ける気がしたのでオフにしなかった。頼むから炭治郎、水の呼吸を使わないでくれ、って思いながら観てた。てか、剣士の使う呼吸は、実際に水とか炎が出てる訳ではないという公式設定無視じゃん!とか思ったり。あれは鍛錬の成果でそういう風に見えているだけなんだよ。川にドボンするシーンでは水出なかったし。なんなんだこれ。

ラストで座席キックされたのも衝撃だった。終盤の良いところで座席に走る衝撃。背中の中ほどにドンッってされた。座席蹴られたかと思ったけど、ちょっと様子が違う。4DXの演出だと気づくまでに数秒を要した。炭治郎のジャベリンが猗窩座に突き刺さるシーンで、座席背面から打撃を受けたのだ。なるほどね、猗窩座が受けた攻撃を再現したのか。ここで浮かぶ疑問。俺はいつから猗窩座になったの?刀を投げる炭治郎側ならともかく、鬼の側って。

4DXを観てずっと感じていた違和感の正体と、没入できなかった原因はまさにここだ。この映画を観ている自分の視点はいったい何者なのか、という問題だ。主人公視点なのか、第三者なのか、全てを俯瞰する神の視点なのか。通常版とIMAX版を観ているときには、視点が気になることは無かった。でも4DX版だと、キャラが歩いただけで振動したり、水の呼吸を使うたびに水が出たりするし、背中に刀が刺さりもする。自分が何者なのか気になってしょうがなくなる。俺は歩いている善逸?滝壺を放っている炭治郎?はたまた太陽から逃げる上弦の参?

【まとめ】

映画として集中して観たいならIMAX版がオススメ。

4DXは別物のアトラクションとして楽しむべし。

主人公密着視点とか、POV方式なら4DXも良いのではないかと思う。

(おわり)

やりたいことがオーバーフローしたので整理する。

最近、やりたいことが多くて時間がいくらあっても足りない。

 

【仕事】

今の仕事は好きでも嫌いでもない。楽だが給料は悪くないので気に入っている。割に合っている。仮にFXとかだけで生活できるようになっても、仕事は続けた方が良いと思っている。社会との接点的な。

【シージ】

レインボーシックスシージ。最近全然プレイできていない。新しいシーズンCRIMSON HEISTが始まったので、とりあえずダウンロードはした。シージは間違いなく最高のFPSなのでプレイしたいのだが、いかんせん時間がない。またランクマ行きたい。最高でプラチナ4なので、プラチナ沼を抜けるのが目標。あと更新サボってるシージの記事も書き直したい。シーズン始まったばかりなので、やるなら今。

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【APEX】

APEXも楽しい。メジャータイトルなので、これはおさえておきたい。パスファインダーメイン。APEXも最高でプラチナ4なので、沼からの脱出が目標。ランクリセットされたので、やるなら今。

【タルコフ】

タルコフも楽しい。超リアル系。銃とかアイテムをいじるだけで時間が溶ける。装備を整えたり、マッチングするのに時間がかかるので最近足が遠のきがちだった。時間さえあれば無限にやっていられる。

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【僕ヤバ】

最近ハマっているマンガ「僕の心のヤバイやつ」。これが最高に面白いので無限ループで読んでる。いま多分16か17周目くらい。これはマンガ史に残るべき傑作だと思っている。なんというか、全部良い。全要素が良い。ラブコメに限らず、全ジャンルの中でもトップクラスの面白さだと思う。最新話の更新を待ちつつ、既刊を無限ループするのだ。

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【漫画】

漫画の新規開拓もしたいのよね。Twitterで流れてきて知った「葬送のフリーレン」面白かったな。俺の知らない面白い漫画が世の中にはまだまだたくさんあるはず。「進撃の巨人」は読んでなかったけど、なんか最近展開がヤバいらしいので1巻から読みたい。「HELLSING」とか「鋼の錬金術師 」とかはKindle版も買いそろえたい。あと「ダンジョン飯 」にもハマってる。

【映画】

鬼滅とエヴァは映画館で観た。TENETはアマプラでレンタルして観た。「孤独なふりした世界で」も雰囲気良かったな。過去の名作も観たいし、マイナーなタイトルもディグりたい。

【読書】

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本がいちばんヤベーかも。積読本数えたら、30冊あったわ。どうすんだこれ。 ノリで買った専門的な本とか、古典の現代語訳もあるから1冊読むのもひと苦労だぞ。全世界戦争史とか、いつ挟んだのかわからない押し花が出てきたからね。リストアップしようと思ったけど、果てしないのであきらめた。写真で我慢する。

【Twitter】

Twitter楽しいよねー。許されるならずっと張り付いていたい。

【FX】

地道にFXもやっている。といっても、小銭程度なのだが。頑張って小銭を稼いで、ドカンと大きく損失を出す。そんな人生です。コツコツドカン。でも資金をなくさずに1年近くやれているだけで上々だと思う。専業のトレーダーが命削りながらやって、それでも去っていく人がいるくらいのシビアな世界なのだ。ちゃんと勉強するべきなのだが、サボっている。ローソクと、簡単なテクニカルと、勘でやってる。いつか身を亡ぼす気がする。

投資はインデックスファンドのみ。流石に個別銘柄に手を出す余裕は無い。

【ブログ】

ブログは好きで趣味で書いてる。アクセス伸びると嬉しい。1日にうまい棒数本分の広告収入があるのも嬉しい。ゲームの攻略系がアクセスのメインなんで、この記事はほとんど読まれないだろうけどね。自分の備忘録なのでヨシ。書きたい記事の案はいくつかある。エヴァ観た感想とかタイムリーなうちに書ければいいんだけど、なかなか筆が進まなくてね…。

(おわり)

僕ヤバに心を深くエグられる人生だった。【読書感想文】『僕の心のヤバイやつ』

 

↑これは俺が特に好きな2巻ね。 

 

僕ヤバを読んでいると、心を深くエグられるような、突き刺されるような感覚に陥ることはないだろうか?俺にはある。

胸キュンとは違うし(もちろん胸キュンはある)。尊さにやられるのとも違う(当然、尊死する場合もある)。

ちょっと前に書いた記事では僕ヤバの魅力について書いた。これは、話の展開だとかマンガの表現だとか、割と表面的な内容だったと思う。

 

 

今回は、僕ヤバがなぜこんなに心をエグるのかな?と考えたお話。

 

【陰キャがリアル】

このマンガ、陰キャの描写がリアルだよね。思考回路とか、リアクションとか。俺自身陰キャだったから、この辺はすげー共感できる。声かけたくてもかけられない感じとか、休み時間に話す友達もいないから本を読んだりするのとかも。

なんかインタビューとか読んだ感じだと、桜井のりお先生も陰キャだったらしい。同志よ。

【見せ方が上手い】

あと見せ方ね。僕ヤバは市川視点の物語なので、市川が体験していないことは、我々読者も知りえない。マンガのタイトルとか、各話のタイトルにもあるように、あくまで主体は「僕(市川)」だ。学校で別れたあと、帰り道とか帰宅後に山田が何をしているのか、知らない。まあマンガなので市川視点+αくらいは分かっているのだが。

市川はモノローグがあるので心の中も分かる。だが山田の心の中は一度も直接的に描写されたことはない。

だから山田の気持ちは、言動とか行動とかで推測するしかない。最悪の場合、市川のことはからかっているだけで、すでにナンパイとか足立とか全く知らない第3者とくっついている可能性すらあるわけだ。だって市川と会っていない間は何してるかわからないから。まあ絶対あり得ないけどなそんなこと。だって脈しかないんだもん。もうイケるぞ京太郎ッ!てかこのマンガ、ハッピーエンドにならなかったらリアルで死者が出ると思うぞ俺は。うん。

とはいえそれだとラブコメとして成立しないので、キャラは表情豊かで感情が読み易くなっている。意図して表情を読み易いようにしているらしい。相手のことが分からないハラハラ感と、ラブコメの甘さが両立していてとても良い。

話は変わるけど、このマンガはアニメ化は良いとしても実写化は厳しいのではないだろうか。マンガとかアニメは分かりやすいアイコン的な表情をさせられるけど、実写ではそれができない。多くを語らないことで生み出される微妙な心の機微というか、読み手に与える解釈の広さとか、そういうものを果たして実写で再現できるのだろうか。

あと心理描写系で特に好きなのはKarte.43「僕は山田が嫌い」だ。

わからないのは山田の心じゃない 僕の心

モノローグがあるから市川が思っていることは分かる。でも、思っていることが本心じゃないこともある。モノローグを使った叙述トリックとでも言うべきか。思ったことと本心の乖離を表現したこの話すごいよね~。

 

【開く過去の扉、抉られる心】

こんなに共感できる主人公を、こんなに上手い見せ方をされると、なんというか、過去の扉が開いてしまう。不意に昔を思い出すことを過去の扉が開くって言うよね?

僕ヤバを読むようになってから、学生時代の黒歴史とか、やらかしとか、いらんことを思い出すようになった。そういやあんなことあったな、みたいな。例えば…って、匿名でも語りたくないよな黒歴史は。

そして極めつけが、あの時こうしていれば、みたいなことも思い出しちゃうんだよね。俺も陰キャだったから、中学・高校と大学のほとんどは色恋沙汰とは無縁な生活を送っていた。でも今思い返せば、全くチャンスが無いわけでもなかった。やたら絡んでくる女子とか……いたわ~。連絡先聞かれたりとか……あったわ~。バレンタインにチョコとか……もらってたわ~。まあ陰キャだった俺はそんなフラグを回収できるわけもなく。安定のフラグベキベキマンだった。当時の選択が違えば、僕ヤバ程ではないにしろ、何かあったのかなとか思ってしまう。

僕ヤバに引き込まれてしまうのは、「実現することの無かった、あり得た世界」を市川が歩いているからだと思う。あの時掛けられなかったひと言とか、踏み出せなかった一歩とか、そういうものを市川はちゃんと回収している。Kare.1の話になるけど、困っている女子がいたとして、カッターを貸してあげられるか?中学時代の俺には無理だっただろうなぁ。あそこで一歩を踏み出した市川は本当にエライ。「こうありたかった」という全陰キャの願望を具現化した存在が市川だ。そのうち英霊として召喚されるんじゃないかしらん。固有結界とか使いそう。

仮に。仮にだよ。今の記憶を引き継いだまま中学時代に戻れるとしても、コレジャナイ感が半端ないんだよなぁ。確かに今の俺ならもっと上手く立ち回れるだろうし、彼女の2、3人くらい余裕で作れると思う。でも、あの時感じたドキドキ感とか、もどかしさとか、そういう感情が既に失われていることも知っている。ラブコメをするには、汚い大人になり過ぎてしまった。

もう決して通ることのできない道だと分かっているから、心が抉られるし、市川を応援したい気持ちになる。

【汚い大人にこそ響く】

市川と山田の関係って、汚い大人にこそクリティカルヒットだと思う。弱い部分をさらけ出して語り合ったり、直接「好き」とは言わないけどお互い気にかけていたり、柔道の授業とかでじゃれあったりね(笑)。

告ったり、付き合ったり、キスしたり、ヤッたりするよりも、こういう関係は貴重だよ。1発ヤるだけなら簡単だけど(ゲス)、信頼関係は一朝一夕で築けるものではない。

もはや愛だね。さっさとくっついちゃえばいいのに。…いやダメだ。もっとじっくり、ゆっくり進展してくれ。

あと最近King Gnuの「白日」がやけに刺さるようになったので、歌詞の一部を引用しておくぜ。

いつだって人は鈍感だもの

わかりゃしないんだ肚の中

それでも愛し愛され

生きていくのが定めと知って

後悔ばかりの人生だ

取り返しのつかない過ちの

一つや二つぐらい

誰にでもあるよな

そんなもんだろう

うんざりするよ(King Gnu「白日」より)

 

いや別に、誰かを知らず知らずのうちに傷つけたわけじゃないんだけどね。僕ヤバを読んで色々思い出して心を抉られて悶絶している俺のことじゃん。とか思ったり。

アニメ化したらKing GnuがOPとかED歌ってくれたら嬉しいな。結構雰囲気マッチしてると思うんだよな~。

(おわり)

僕ヤバのヤバさを語る。【読書感想文】『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお

※注意※

ネタバレというか、作品の内容に触れることになる。記事の性質上しゃーない。引用はなるべくオープンソースから引っ張るようにした。本編を読む楽しみを奪わないよう、善処する。

あと文章キモいから注意して(ニチャア)

【僕ヤバとは?】

 

最近、僕ヤバにどハマりしている。僕ヤバとは、「僕の心のヤバイやつ」の略だ。「みつどもえ」とか「ロロッロ!」を描いている桜井のりお先生の漫画。

 

陽キャが憎くてたまらない…。
只今、中二病真っ最中の市川京太郎は、
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を企む!
だが、山田の意外な一面を知ってしまい…!?(マンガクロスHPより)

 

陰キャ男子と陽キャ女子のラブコメ。なんだかよくありそうな設定だけど、この漫画は本当にヤバいんだ。30過ぎのおっさん(俺)がラブコメにハマってるのもヤバイし、繰り返し10周以上読んでるんだからもう末期のヤバさ。この記事の参考にと少しだけ見るつもりで開いた1巻を勢いそのまま読み切ってしまって、現在11周目。それも読み切って今12週目だぞ!あっ、12周目読み終わっちゃった。伝われ、このヤバさ…。

この作品には言葉では語りつくせない魅力があるのだが、もう我慢できないので僕ヤバのヤバさについて語るぜ。

【僕ヤバの魅力】

〈読者を引き込むテンポの良さ〉

なんかネットとかで人気になっているマンガがあるらしい。その名も「僕の心のヤバイやつ」。略して、僕ヤバ。ふーん。確かに女の子の絵柄は可愛いけどね。ラブコメねぇ。俺は「BLAM!」とか「HELLSING」とか「ドロヘドロ」とか「redEyes」みたいな血飛沫飛び交う硬派な漫画が好きなの!チャラついたマンガが流行るなんて世も末だぜ。

そんなふうに考えていた時期が、俺にもありました。

批判するつもりで試しに1巻を買って読み始めたら、まるまる一気読みしてしまった。

「僕は頭がおかしい」。中二病全開のモノローグから物語は始まる。あー…、そういう感じ?ひねくれた主人公を前面に押し出す感じ?

期待せずにページをめくっていったら、はや4ページ目にして特大のおにぎりを頬張るヒロイン。え?なんなん?なんなんだこのマンガは?展開急過ぎじゃない?てかそっち方向に展開する?

話のテンポがめちゃ良いのよこのマンガ。流石、ギャグ漫画出身の作者。こんな感じで、ちょっとした絡みとかちょいエロとか挟んだりしながらダラダラ続くのかと思いきや、そうではない。日常のちょっとした出来事の積み重ねで、二人の関係は変化していく。1話ごとのテンポも良いし、ストーリー展開のテンポも良い。とりあえず1巻読んでみてほしいなぁ。6話まで無料公開されてるけど、1巻のラストは特にヤバいからなぁ。ぜひ買って読もう!(ダイレクトマーケティング)

mangacross.jp

 

〈ご都合主義のない、ゆっくりとした進展〉

前述したテンポの良さに反し、市川と山田の関係の進展自体は極めて緩やか。 最近の極甘展開を読んでると忘れがちだが、市川が自分の気持ちに気付くまで1巻を要しているし(第1巻参照)、LINE交換するのかと思いきや、実際に交換するまでこれまた1巻かかっている(第3巻参照)。

ご都合主義のないゆっくりとした進展も、このマンガの魅力だよね。創作である以上、全ては作者のご都合ではあるのだが。「そうはならんやろ」って展開が無い。無いように見える。それだけ丁寧に話が進む。

なんの脈絡もなく可愛い女子からなぜか急に好意を寄せられる系の話ではない。むしろ逆に、小さなことの積み重ねで関係を深めていく市川と山田の成長譚だ。ラブコメであると同時に、王道のビルドゥングスロマンであるという点も人気の理由ではないだろうか。

そもそも、陰キャが女子といきなり仲良くなれるわけないじゃん?てか話すらまともにできるわけないじゃん?今あらためて読み返してみたら、市川が山田と普通に話せるようになるのかなり後だったわ。雨の日に傘忘れイベントが発生するかと思いきや市川は無様なカッパだし、席替えで運良く隣になったりもしない。よくよく考えれば最新話時点でも、お互い下の名前で呼んですらいないしな。

”現実(リアル)”ってそういうもんだろ…。

 

〈格差ラブコメじゃない、キャラの魅力〉

登場するキャラクターも良いよね。全員良い。家族は仲良さそうだし、クラスメイトは面白いし。特にチョロいばやしこが無限にかわいい。

閑話休題。

閑話休題を「それはさておき」って読ませるのカッコいいよね。

閑話休題。

ヒロインの山田は文句なしに最高。明るくて、まっすぐで、かわいい。ちょっと抜けてる感じとか、ぐいぐいくる感じとか、ヤバい。

山田も良いんだが、俺の一番の推しは市川だね。

市川はただの陰キャじゃないんだ。すげー気配りできるし、やさいしい。漢気もある。文化祭のときは自分を悪者にしてクラスメイトを庇おうとしたし、泣いてる山田のためにティッシュをこっそり(?)置いておいてあげたり。

僕ヤバは、山田が上で市川が下みたいな単なる一方的な格差ラブコメじゃない。最初にアクションをかけたのは市川だったはず。第1話でカッター貸してあげたでしょ?些細なことだけど。でも、こういう市川のちょっとした親切とか気配りがあったからこそ、今の関係があるんだと思う。決して受け身の棚ぼたではない。

ぐいぐいくる山田も、市川がらみのことだと挙動がキモくなったりする。そこがまたかわいい。市川も無意識というか不意にイケメンな行動とか言動をするので油断できない。そういうところだぞ市川ぁ。

 

〈安易に脱がない洗練されたエロさ〉

このマンガ、安直なエロさが無い。呼吸をするように脱ぐキャラがいたロロッロとは大違い。俺の記憶が正しければ、パンチラは1回も無かったはず。スパッツ履いてる設定だよね?。偶然ベッドに押し倒しちゃったからって、その流れでキスなんかしないし。

そういう安っぽいエロはないけど、それ以上のものがある。

第2巻に収録されているKarte.22に傘忘れ回がある。色々あって、市川がカッパを着た山田のカーディガンのポケットに財布を入れてあげることになるんだけど、そのシーンがまたエロいんだ!!

カッパのボタンを2つ外して、そこから手を入れて、カーディガンのポケットに財布を入れる。

 

ただそれだけなのに、こんなのもうセ○クスじゃん!いやセッ○スよりエロい!!!このためだけに1ページ使ってるからね。作者分かってるわ~。ちなみに俺は、この傘忘れ回が1番好き。

あと、ラッキースケベも洗練されている。現時点最新話のKarte.65「僕は大人のなりかけ」では、二人の距離が近くなって偶然胸に手ガーっていうベタな展開がある。よくありそうな状況だけど、僕ヤバは一味も二味も違う。市川の骨折から回復した腕をニギニギしながら山田が距離を詰めるんだけど、市川は山田に触れないように手を握って縮めてる。分かるかな?最初は手のひらを開き気味なんだけど、山田が近づいてくるから手を握って触れないようにしている。さすが気配りの市川。

それでも山田は距離が近いから触れてしまう。その触れ方が、鷲掴みとかではなく、脇にこうスッと手が入る感じ?になっている。胸自体には触ってないようだけど。これは最高にエロいぞ!!!鷲掴みの数倍…いや数十倍はエロい!!!!作者天才か!!!!!性癖どストライク!!!!!!

鷲掴みならそれで終わりだけど、この状態からならいくらでも派生ができるからな!そのまま後ろに手を回して抱き寄せてヨシ!もちろん前に持ってくるもヨシ!身体に沿って下に手を這わせてもヨシ!片手で身体を支えてあげながらもう片方の手で顔とか髪を愛でるのもヨシ!可能性は無限大!!!(ニチャア)

あとこれKarte.37で黒板に描いてた、触ったらころすゾーンなんだよね。もろに。それなのに山田は市川に指摘されるまで触れられてることに気付いてない感じだった。これだけパーソナルスペースに立ち入られても大丈夫ということは、答えは一つだね。

バッチコイだよ!!

 

ちなみに作者のTwitterでは直球でエロい感じの絵とかアップされてるから、ぜひフォローしよう(ダイレクトマーケティング)。公式サイトとか単行本未収録のマンガもあるよ。イベントとかに合わせて色々アップしてくれてるよ。公式が最大手。マジ神。桜井のりお@僕ヤバ④2/8発売 ロ⑦発売中 (@lovely_pig328) | Twitter

 

〈細部が特にヤバい〉

このマンガは全部ヤバいんだけど、細かい描写は特にヤバい。上でラッキースケベのシーンについてキモく語ったけど、手先指先の動きにも意味があるんだ。小さなコマのキャラの表情にも。もっと言ってしまえば、目尻とか口角の上がり下がり、視線の向きとか。登場する小物とか、些細なやり取りにも意味が込められている。

これはネタバレしちゃったら読む楽しみが減っちゃうからな。自分で読んで、これはもしや?ってニヤニヤするのが良いんだよ。みんなでキモくなってニヤニヤしよう(ニチャア)。

俺が僕ヤバを12周もしているのは、細部を読む楽しさがあるのも大きいと思う。だっていまだに読むたびに新たな発見があるんだもん。12周目でだよ?ヤベーよこのマンガ。本当にヤバい。この記事書き始めてから2周しちゃったからね。全然筆が進まん。

 

〈設定がシンプル〉

設定がシンプルなのも良いね。物語の設定。なにかすごい設定があるのではなく、特殊な設定が無いのが。中学校に通う陰キャと陽キャ。基本それだけ。

時をかけることはないし、入れ替わりもしないし、隕石は落ちてこないし、最終兵器にもならないし、余命宣告もされないし、異世界転生もしないし、剣も魔法も召喚獣もないし、財閥の御曹子も出てこないし、怪異に出会うこともないし、霊能力者も出てこないし、ロボットも出てこないし、三つ子も今のところ登場しない。

安易な鬱設定、胸糞展開が無いのも良い。家庭崩壊してるとか、クラスでいじめがあるとか、犯罪に巻き込まれるとか、そういうのが無い。

強制的に二人の関係を縮めて話を進めるデウス・エクス・マキナは存在しない。

シンプルな設定だからこそ、漫画としての地力が試される。そしてこの面白さ。この人気ぶりよ。作者があとがきで書いていた「距離」「変化」「気付き」がより引き立たつ。

本当にねぇ、この漫画はねぇ、距離感とか小さな変化とかが良いのよ。余計な要素抜きで純粋にそれを楽しめるのはマジで素晴らしい。

 

〈経験に裏打ちされた漫画力〉

シンプルな設定でこれだけ面白く読ませてくれるのは、ひとえに作者の実力に依ると思われる。漫画のずぶの素人がこんなことを言うのは非常に憚られるのだが、桜井のりお先生、漫画描くの上手過ぎじゃないか?

コマ割りって言うの?コマの配置というか。すごい読みやすい。小さいコマも多いんだけど、スラスラ読めるようになってる。これ多分読み手の視線の動きとか、ひとコマ読むのにかかる時間とかちゃんと考えて構成されてるんだろうな。流れるような展開からの決めゴマとかもう最高。Karte.30「僕は溶かした」、オススメだよ。

コマの情報量のバランスも良い。さっき細部がヤバいと書いたが、決してごやごちゃはしていない。描き込みが甘いとかそういうことを言いたいんじゃない。見せたいものを描きつつ、余計なものを削ってる感じ。情報の取捨選択というか。そのコマで伝えたいであろうことが、すんなりと入ってくる。状況が分かりやすい。

あと作画も素晴らしい。キャラデザが最高に可愛いのは言うに及ばず。なんというか、画がみやすい。これは俺の知識不足でうまく言語化できないんだけど。線がはっきりしてるし。若干デフォルメ入ってる感じはするけど、身体の構造とかは端折られてないから、体勢とか動きとか分かりやすいし。服のシワの入れ具合も、なんか良い(小並)。

素人では到底分からないような、技巧の粋が尽くされているんだと思う。

あと「間」ね。間が良い。セリフとか動きが無いシーンの描き方がすごい。例えば、アクシデントで市川が山田をベッドに押し倒したみたいになっちゃうシーン。これは4巻の宣材画像にもなってるから、ちょっとはネタバレセーフでしょ。偶然押し倒したみたいな形になったからって、何が起こるわけでもない。わけではないが!何も起こらなかったこの「間」が非常に良い!!お互い目が合いつつも動けなかったこの間がッ!!!キスとかするには十分すぎる間だったんじゃないかな、市川くん?山田がすぐに拒否らなかったということは、答えは一つだね。

バッチコイだよ!!

あと職業見学の時にエレベーター降りる時の間も最高だったな。

〈連載漫画という形式がベスト〉

これはまあ、非常に個人的な見解なんだけど。僕ヤバは、今の連載漫画という形式がベストなんじゃないかと思う。しかも未完結で連載継続中という。実際の人間関係と同じで、先が見えていない。先が見えないからこその面白さがある。完結した1冊の小説とか1本の映画とかだったら、ここまで引き込まれることはなかったんじゃないかな。

あと更新ペースがゆっくりなのも良いね。隔週くらいか。これはじっくり楽しむものだから、毎週更新じゃなくていい。確かに続きは気になるけれど、結末に近づいて欲しくはない。ジレンマだ。あと作者にはご自愛専一して欲しいから、無理のないペースで連載してほしい。正直このマンガは月1とかでも十分やっていけるから大丈夫だよ。

僕ヤバと同時代を生きて、リアルタイムで読むことができて本当に幸せだなと思う。

 

【至高の領域】

このマンガを読んでて思ったことがある。

達人の剣技に似てない?いや達人の剣技なんて見たことないんだけども。

一切の無駄がなく。派手さはないがひとコマひとコマが的確で致命的で。テンポは流れる水の様に流麗で、展開には独特の緩急がある。

このマンガ練り上げられている。

極限まで練り上げられたマンガの完成形…

猗窩座もニッコリの至高の領域だ。

いやマジで俺は、作者は神か悪魔か、はたまた鬼・妖怪の類では無いかと割と本気で思ってる。

僕ヤバ読み始めてから、脳内麻薬ドバドバ出てる感じするもんね。仕事が全然苦にならないし、僕ヤバのことを考えてたらすぐ定時になる(仕事しろ)

尊さに脳が焼かれたんだと思う。

それほどヤバいぞ、僕ヤバは。

みんな買って読もう!(ダイレクトマーケティング)

僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

僕の心のヤバイやつ 2 (少年チャンピオン・コミックス)

僕の心のヤバイやつ 3 (少年チャンピオン・コミックス)

僕の心のヤバイやつ 4 (4) (少年チャンピオン・コミックス)

Kindleのプレゼントコードとか貼れたら10冊分くらい貼っておくんだけど。日本のAmazonじゃ対応してないらしい。だからみんな自腹で買おう。

本当はもっと書きたいことが沢山あるけど、僕ヤバの魅力はキリがないからこれぐらいにする。

(おわり)

没入した。【読書感想文】『推し、燃ゆ』宇佐見りん

 

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

 

 久々に本屋に行って、芥川賞受賞の「推し、燃ゆ」を見かけた。流行りものは好きじゃないんで、芥川賞とか全くチェックしてなかったけど、立ち読みして面白そうだったんで買ってみた。やはり本屋は偉大。Amazonは確かに便利だけど、自分の興味関心に関係ない本を眺めるのは大事。見識が広がらないからね。

タイトル通り、推しが炎上する話。うーん。具体的にどこが良いとかそういうのは無んだよなぁ。無いんだけど、没入して一気に読んでしまった。アイドルを推す気持ちは分からないし、生きづらさを感じている主人公に共感したわけでもない。なんだろう?文章の熱量?よく分からん。でも人に読ませる何かがあるのは確かだ。

(おわり)